2016.1.10. 【太融寺南天の会@太融寺本坊】

 【太融寺南天の会】

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南天さんが毎月動楽亭でやっていた勉強会は、11月にこの太融寺開催になりそれ以降は動楽亭と1か月ごとの交互開催になる。今日はその形になってから2回目の太融寺開催だ。この太融寺という寺は、梅田徒歩圏にあり、僕は毎月ここで開催してほしいと思っている。
そして、周辺の環境は梅田の中でも場末な繁華色が特に強いエリアだ。ただこの太融寺はそんな中にあって創建1200年近いという由緒のある寺で、その本坊では以前からいろいろな落語会が開催されている。僕の知ってる範囲では千朝さんの会だけがフルスペース使い、南天さんの会とかラクゴリラ等の他の会は1/3のスペースをパーテーションで殺して開催している。
今日は開演45分ぐらい前に着くともう開場されていて、それ以降にも続々とお客さんがやってくる。そしてついに開演10分前に南天さんから膝送りじゃなくて2列分椅子送りの指令が出た。で、できた後ろのスペースに南天さんと出番の佐ん吉さん、てったいのたまさんで椅子を並べ始めた。それでもまだ客足は止まらない。
結果的には120人以上入ったと思うけど、確認するのを忘れた。

眞 / みかん屋
南天 / 動物園
佐ん吉 / 盗人の仲裁
南天 / 高津の富

眞さん、例によって「女の子です」まくらから入る。性別を言わないと客席に「どっちやねん」という空気が流れてお客さんが落語に集中できない、と。でも僕ならそんな空気の中で落語聴いてみたいな。自分がどんな反応するのか楽しみやわ。しばらく昼席とかサラの客が多いところでは性別言わないと反応面白いと思うけどな。芸事の世界やから、男が女したり、女が男したり、いくらでもあるんやし。

南天さん、「動物園」は襲名後初めてだ。今日の大入りはひょっとして「動物園」ネタ出しの威力なのか。前座噺を自分のネタとしてここまで昇華した例てそんなにないと思うのだけど、一連のワニとかのところがキーなのだろう。最近は南天さんもたまにしかしないし、若手の人がするのも人の名前とかでいくつかの型があるけど、客観的にみて南天さんのが一番面白いと思う。もっと伝えていってほしい動物園だな。

続いて佐ん吉さん、「盗人の仲裁」は聴くこと自体が初めて。空き巣に入った盗人が荒らしていると旦那が帰ってきて床下に隠れる。で、引き続き嫁も帰ってきて大喧嘩になり誤解からどんどんエスカレートしていって、ついに盗人が飛び出し仲裁する、という噺だ。佐ん吉さんのこの噺はすごく切れ味があって楽しい。今日はなにか余裕すら感じた。スターやからな。ところで、後半盗人が仲裁にはいってから、天使と悪魔が出てきていろいろとつぶやくのだけど、これは「はなしかタカラヅカ」で出てきた黒と白みたいなものなのか。オリジナル古典にはこんなのはないんだろうな。これも含めて斬新だった。佐ん吉さんに限らずもっと掛けてほしい噺だ。

南天さん、最後は「高津の富」。こっちは最近も聴いてる。南天さんの落語としてもうレギュラーネタになっているのだろう。僕、時々思うのは、ほんでこのおっさんは誰やねん、ていうこと。いわゆる氏素性てやつ。悪人にそんなん関係ないてことかもしれんけど、どこでなにをどうしてきて、大川町の宿屋にたどり着いたのか。考えると面白い。後同じようにおもうのが「鰻の幇間」 の、のだいこだな。こっちも、誰やねん感強い。
南天さん、爆笑続く。笑いのピッチが短くてどんどんくる。えべっさんのアホーの落書きで爆笑。

南天さんの噺をずっと聴いてると、最近レベルの高いレギュラーネタがどんどん増えてるように思う。こうして芸に精進する人としない人のさがどんどんひろがっていくのだろう。芸人てそんな世界だな。

今日の動員は動物園の威光もあったのかもしれないけど、どう考えても動j楽亭より太融寺の方がエリアの持ってる客パワーは大きい。ずっとこっちでした方が動員は伸びていくと思う。そして太融寺本坊にはまだ使っていない客席スペースが1/3もあるのだから。