2015.12.22 【第119回・出没!ラクゴリラ@太融寺本坊】

【第119回・出没!ラクゴリラ】

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今日は第119回、次回2月で20周年の120回。心斎橋劇場での記念公演が待っている。今日の演目はなんか南天さんでおなじみのが並んでるようにみえるけど。どんな風に演じられるのかすごく楽しみだった。ただ、8月・10月と2回連続で残念な高座があったこともあり、一抹の不安も感じながらの開演となった。

瑞 / 鉄砲勇助
南天 / 天災
花丸/ お迎え人形の恋
中入り
生喬 / 書割盗人
文三 / くっしゃみ講釈
(三味線) はやしや香穂

瑞さん、4日前の重い高座と違って今日は軽快だ。しかし、どちらの客席にもいた人結構いたと思うけど落語は微妙だな。演者の細かな動揺を客席も拾ってしまう場合がある。ともかく、今日はいつもの瑞さんですっかり客席はあったまって、プログラムで「ほたえる」宣言をしていた南天さんにつなぐ。

南天さん、次回記念公演の記念品を今日の打上げで決めると。候補としてはクリアファイル!ここで微妙な空気が流れて、南天さん「だめですか?」  クリアファイルというと例の上新庄のを思い浮かべるファンが多分多いんだ。そこから「天災」はざこばさんからということで、おなじみの「遊山船」をつけてもらった時のざこばさんの動楽亭公開稽古の話。噺家さんの稽古をつけてもらうていうのは、こういう師匠連の気みたいなのも含めてなんだろうなと思っている。
「天災」は4回目ぐらいか。聴くたびに技の名前が変わってたように思うけど、今日は前回同様の「生駒ころがし」。これで定着するのか。噺は絶好調の大爆笑。まさにほたえたはった。ネタおろしで聴いてそれから結構短いスパンで聴いてるけど、聴くたびに細かく変わってるし、南天さんの「天災」が正直一番だと思う。母親をぐるぐるに転がすてのがいい。

続いて花丸さん、「お迎え人形の恋」は天神祭りにちなんだ落語台本を募集した時の入選作で、染丸さんが一度掛けた後に花丸さんに降りてきたと。今年7月の天神祭り落語会でも僕は聴いてる。
噺はある大家のお嬢さんが身ごもって、その父親とスムースに結婚させるために天神祭のお迎え人形が父親だという話をでっちあげる。その流れで話はすすんでいくのだけど、人形のもってる怖さみたいなのも感じられて独特の世界観の噺になっている。僕はこの噺かなり好きだな。

そして中入り後は生喬さん、大阪芸大時代の油絵と落研の話、ヌードデッサンの話、南天さんとの出会い。二人でギター持って落語と歌で色んなとこ行って、楽しくて楽しくてこんなんが一生続けばいいのにと思っていた。
「そして、夢がかないました!」
で、今の二人があると。こういう話は昔「らくご道」があった頃よくしてはった。なんか懐かしくて思い出して復活しないかなと。ただし、雀のおやど以外でね。
ネタは「書割盗人」。生喬さんでは初めてだ。これはなんと言っても南天さんが絶品だと思っている。絵を描くための細かい所作が他の人とはかなり違う。そのネタを生喬さんが。
生喬さん、僕は絵を描いてましたから、と言いながら筆の運びが豪快かつ自然に映る。で、注文がうるさくて細かくて、かつてないほど豪華な書割部屋が誕生した。そして書割の裏庭から逃げようとして壁にぶつかる泥棒、ようやく玄関から逃げて、逃げられた男が一言つぶやいて下げになる。完璧なのでは。

最後は文三さん、四天王の話で受けてから「くっしゃみ講釈」。これも文三さんでは初めて、で南天さんでよく聴いている。文三さん、比較的静かに噺に入ったけど、後藤一山の名前が登場するあたりから徐々にテンションがあがってくる。で、胡椒買いに行ってお七語る頃にはもう絶好調で、文三ワールド全開だった。更に講釈小屋のヤマ場になって、後藤一山の怪演というか、合間合間に一山が笑うんだ。ニヤッと何度も。で、すぐにまた、くっしゃみ。このシーンで客席から拍手が。僕は落語のネタ中に安っぽい拍手するの嫌いなんだけど、今日のはそんなのじゃなくて、感動のあまり、可笑しさのあまり自然に起きた拍手だった。
まさにトリとして文三さんが見事に締めて119回目は終わった。

前2回、期待外れの高座が続いたので「なんだかな」と思っていたけど、もう今日は見事とし言いようがない。
やっぱりラクゴリラはすごい! という気持ちで僕らも20周年記念公演に臨める。

2/24(水) 18:30  「出没!ラクゴリラ20周年記念公演@心斎橋劇場」 だ!