2015.12.18 【花丸染雀二人会@繁昌亭】

【花丸染雀二人会@繁昌亭】

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もう何年になるのか毎年行ってる会だ。僕は上方林家の中では特にこの二人がいいと思っている。そして二人とも自分の会というものをあまりしない。だから二人の落語を二席ずつ聴けるこの会はとても貴重でいつも楽しみなんだ。客席は1Fはほぼ満員でマニアな人たちが随分いる。そして、林家一門会の客席ともかなり違う。僕にとってはとても居心地のいい雰囲気で開演だ。

瑞 / 子ほめ
花丸 / GORO
染雀 / お文さん
中入り
染雀 / 化物使い
花丸 / 猫の災難

瑞さん、冒頭で花丸さんの名前を二度噛む。珍しいな。でもその後ネタはいつものようにトントンと運ぶんだけど、なんか客席の反応が重い。やっぱり壁ができてしまったのか、受け入れられていない空気が漂う。難しいな開口一番は。

花丸さん、名前間違えるぐらいどうってことないんです。と客席をなごませる。ネタは遊方さん作の新作。噺に入る前に昨日遊方さんから届いた激励のメールを紹介。「僕の暑いロックを君のファジーなジャズに………」とかいう内容で遊方さん知ってる人は大爆笑だ。いい感じでネタに入る。遊方さんらしいネタだ。花丸さん何度かかけてるらしいけど僕は初めて、というか遊方さんでも聴いてない。なぜこのネタをこの人がするのかなと思うことが時々あって、まあ余計なお世話なんだろうけど。GOROとは野口五郎のことなんだ。

染雀さん、一席目は「お文さん」。亡くなった松喬さんの印象がすごく強いネタなんだけど、大坂船場の商家が舞台で、御堂筋の命名の言われや北御堂、南御堂、浄土真宗といったアイテムが登場おする。興味深かったけど、いつもの染雀さんと比べると地味すぎる噺かなと。
今日のネタ出し見た時に、前半二席がどんな感じになるのか想像しにくくて楽しみにしていたのだけど、どちらかいうと客席は重かった。いろんな要員があったのかもしれないけど、今までこの会ではあまり感じなかったことだ。

中入り後再び染雀さん、「化物使い」のネタ出しで、冒頭ちょっと長めの幽霊小噺を二本。これが大いに受けて客席なごむ。そこからネタに入り、「かかぁ~」の第一声から聴き手をつかんで、一つ目小僧、大入道、のっぺらぼうとたたみかけて大爆笑だ。おやじの所作と表情が化物をよく観察しているのが分かる。
染雀さん、二席する時は一席芝居噺系が入っていること多いけど、今日はそれはなし。でも「化物使い」はこの人のすっとぼけた滑稽噺がすごくいいことを再認識させられた。

最後は花丸さん、いつかの落語会終わったあとの打上げ二次会から延々と〇二さんにつき合わされた噺をおかしく語る。そこから「猫の災難」。やっぱり〇二さんは災難やったんや。
この噺、演題が下げにつながるんだけど、内容の大半は酔っ払い噺で一人酒盛り的に進行する。酔っ払い噺をあまりしない花丸さんの中では貴重な噺で、じわじわと変わっていくのが楽しい。聴き終わった時の満足感はかなり高い。

ということで後半二席がすごく良くて結果的には今日もいい会になった。この二人会はもちろんだけど、菊丸さんを含めた三人会もまた定期的に実施してほしいものだ。