2015.12.11 【九雀はだかナオユキ三人会@八聖亭】

【九雀はだかナオユキ三人会】

イメージ 1

冒頭に九雀さんディナージャケットで登場し、出囃子「楽しやなぁ」の歌詞付きバージョンをフルコーラス歌い、後の二人を呼び込む。その三人が並ぶ絵をみて楽しさ満載の三人会になると思った。何が起きるか分からない不思議な雰囲気でなく、強烈なパワーに引っ張られそうな会でもなく、ただひたすら穏やかに楽しい会しか想像できなかった。九雀さんが持ち込んだオロナミンCで出番順を決め。ナオユキ~はだか~九雀となった。

八斗 / 四人癖
中入り
九雀 / 南京屋政談

開口一番は八斗さん、九雀さんが歌った一座唄にナオユキさんはだかさんと同じように僕も名前を入れ込んでほしかった、と一言言ってから「四人癖」。明るくて勢いあって絶好の開口一番だ。

そして、まずはナオユキさん。以前は繁昌亭昼席でよく聴いていたのだけど。最近売れてきたからかあまり出られない。むしろ独演会とかの色変わりでよくみるようになった。今日は約25分、たっぷりだ。この人のスタイルは小ネタの応酬で短いインターバルで笑いが続く。その中にも爆笑と普通受けとやや受けがあって、きっちりチェックしてふるいにかけられてると思う。酔っ払いのテーマが一番多かったけど、よく観察してるんだろうなと。それをそのまま使ったり、アレンジしたり、そこから新しい発想取り出したり、とかしながらあの大量のネタができていくんだろう。いつも自分のスタイル崩さない人だけど、今日は競演の二人にいじられて、その時は結構崩していた。それもまた楽し。

続いてはだかさんは岡町でよくみてる。今週も繁昌亭昼席の出番でいつもの岡町がとれなかったのでここになったらしい。漫談というより歌謡ショーだな。楽器は持たないけど音曲に近いかも。小さな振りとフラットな歌で笑いをつなげて、最後は東京タワーとスカイツリー。これが何度見てもおかしい。絶妙の間だな。

そして、最期に上がった九雀さん、こういう大爆笑の一人芸の後に上がるのは悩ましいと。でも奈々福さんの後も、上村吉弥さんの「七段目」の後も、ズバッと受けていたのに。でもやっぱり今日の方が落語と比べて異質な部分が大きいからかな。で、何を掛けるのかと思っていたら、夏の噺をします、と言うことで「南京屋政談」。この噺、知ってはいたけど九雀さんどころか聴くのが完全に初めてだった。噺はおなじみ遊び人の若旦那が主役だ。勘当されて乞食同然まで落ちぶれて、それでも最後は善行で報われる。いい噺なのにどうしてあまりかからないのだろう。

それにしても、最近だけでも浪曲師コラボ、歌舞伎役者コラボ、そして今回の強力ピン芸人コラボ、また、去年は吹奏楽コラボと、落語という芸の可能性を追求し続ける九雀さんの姿勢と、それを一級のエンターテイメントに仕上げるプロデュース力は見事なものだ。これからもいろいろと楽しませてほしいなと。