2018.8.8 【出没!ラクゴリラ@太融寺本坊】

【出没!ラクゴリラ】

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さて、いつも楽しみな 「ラクゴリラ」 、今日もいいネタが並んでいる。2か月に一度の開催で135回目、毎回期待させそれを決して裏切らない。こんな会を長年途切れることなく続けられるのは、一つには同期の結束であり、そして4人の落語に対するセンスや技術的なことが優れている事、そしてネタの数も多いということなんだろう。今では上方のレギュラー落語会の中で、一番安定して楽しめる会になっていると思う。結構強力な会の多い今日だったけれど、知り合いの数は少し少なかったけれど、いつもと大きく変わらない客数で開演した。

遊真 / 看板の一
花丸 / ろくろ首
生喬 / 次の御用日
仲入り
南天 / いたりきたり

開口一番は遊真さん、バスの観光ガイドの仕事した件で受けて 「看板の一」。親っさんの表情がいいな。そして後半の若いもんの頼りなさそうなところもなかなかだ。基本がきっちりしてる若手の人で、いい開口一番だ。

続いて花丸さん、自分の結婚式の司会を南天さんに頼んで、新郎がいろいろやらされた話から 「ろくろ首」。
この噺、嫁を世話したいけど相手にキズがある、という甚兵衛はんに、「わかってま、わかってま。」 とかぶせていくところが好きなんだけど、花丸さん絶妙の間で聴いててとても気持ちがよくなってくる。そしてベタだけどこれも言ってて気持ちよさそうな下げに。

次はは生喬さん、くじらとか夕立屋とか、夏っぽい小噺いくつかの後 「次の御用日」。僕の好きな夏噺だけど、生喬さんでは初めてでとても楽しみだった。僕はこの噺、気怠い物売りの声とか、住友の浜の真夏の情景がくっきりと浮かび上がるのが好きなんだけど、生喬さんのは少し味わいが違った。最初から常吉がとてもかわいい。気怠い物売りの声は抑え目で,氷屋で爆発。「あー」 がしつこくてくどくていい。そして何と言っても奉行の貫録がいい。下げも少し違った。初めて聴いたように思う。押し出しの強い生喬さんならではの、とても楽しい 「次の御用日」 で、自分の認識を変えてもらってすごく得をした気持ちになった。また聴きたいな。

仲入り後は南天さんで、「いたりきたり」。もちろん枝雀さん作のシュールな噺だ。僕はこれまで、南光さん、雀々さん、そして吉の丞さんで聴いていて、南天さんでは二回目だ。 南天さん、まくらで枝雀さんの SRをいくつか。流れ星とか犬とか定期とか。やっぱり流れ星は名作だな。そして不思議な世界を表現している落語もあると言ってからネタに入る。 この噺、枝雀さんのはかなりシュールで特に後半は教訓的な味わいが強くなってくるのだけど、南天さんのはそこまでいかずに緩い。で、僕はこれぐらいの方がいいのではと思ってしまった。南天さん独自の部分も少しあったと思うし、かなりよかったのでは。やっぱりぜひ残してほしい噺だし、難しいネタだとは思うけれど、最初に上げた人たちと共にこれからも掛けていっていただきたいな。下げのスコン感もいい。

最後は文三さん、落研時代の話。そして入門当時の師匠との 「船弁慶」 についてのいろいろ。文三さんの先代文枝の話はいつも楽しい。大いに受けてネタに入る。喜六がとてもいい。小心者だけどみんなと一緒にいたくて、でも嫁が怖くて。そして、お松登場、昨日出ていって、今帰ってきたいきさつを大声で二回繰り返す。これはもう立て弁だな。よどみなく少し抑揚つけて、お松らしいしゃべりが炸裂する。そして清八がいるの知らずに悪口言い倒して、振り返る時のうちわの所作と間で爆笑だ。続いて、二人についてくる氷屋の場面、話の本筋に関係ないけど面白い場面、落語には欠かせなくてまた楽しい。で、船に乗って、はしゃいで、いばって、食べまくる喜六がよく受ける。最後に怒りのお松再登場で噺は最高潮に。もう聴きどころ満載の 「船弁慶」。そして、これも下げがいい。

今日も十二分に堪能したラクゴリラ,20年超えていつまで続くのかという気もするけれども、これだけネタの多い四人の多彩な噺で満足できる会はそいんなにない。これからも極力通いたいと思っているので、いつまでも続けてほしいな。てことで、次回は10/30(水) の開催だ。