2018.8.7 【とびっきり寄席@守口文化センター】

 【とびっきり寄席】

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さて今日は、はるばる守口までやってきて「とびっきり寄席」。地元のFM局が協力して開催されている地域寄席だ。僕は去年の12月に初めて参加して以来二度目。雀五郎さん、佐ん吉さん、ちょうばさんがレギュラーということで、守口まで来る価値があると思っている。それと実は会場近くにとてもいい立ち飲み屋があって、そちらも楽しみだったりする。ともあれ、ネタの出ていないこの会、今日はみなさん何を掛けるのかと開演を待った。

佐ん吉・ちょうば / 幕開トーク
慶治朗 / ぜんざい公社
雀五郎 / 短命
ちょうば / ふぐ鍋
佐ん吉 / 蛇含草

いつもの二人の幕開トークから。佐ん吉さん、今日は長唄の稽古の発表会だったようで、「勧進帳」 を二節ほど披露。やんやの拍手。他の噺家さんの朝のツイートで、あったのは知っていた。聴くことができてよかった。

そして開口一番は慶治朗さんで 「ぜんざい公社」。慶治朗さんで聴くの二度目だけど、役人の事務的な口調が続くところが慶治朗さんうまい。この噺はここが笑いのポイントだと思っている。そしてスコンと下げる。

次は雀五郎さんで 「短命」。何度も聴いているけど、この噺は雀五郎さんの困惑顔を堪能できる。落語はやっぱり登場人物のわからない様の可笑しみもポイントになるので、困惑顔のうまい噺家さん多い。中でも雀五郎さんはいい。そして短命を理解した時の笑顔もよくて、いつもの絶妙の間。これ雀五郎さんの鉄板ネタに近いかもしれない。

続いてちょうばさん、グランプリ優勝報告の後、この会はFM守口が録音していて、今は真夏だけど放送は秋冬になるかもしれないので、冬の噺をします、と 「ふぐ鍋」。いろんな人で聴いていて、正直少し飽き気味の噺だけど、何か真夏に聴くと新鮮な感じがした。そしてちょうばさんでは初めてなんだけど、とてもしゃべりの流れがよくてさわやかな 「ふぐ鍋」 だった。しつこくない 「ふぐ鍋」、これがちょうばさんの持ち味なんだな。よく覚えておこう。たくさん落語を聴いていると、どうしても個人的に飽きてくる噺があるんだけど、それを一掃してくれる人は貴重な存在だ。

最後は佐ん吉さん、時事ネタをふってから 「蛇含草」。佐ん吉さんでは4回目だけど、冒頭の夏の暑さの表現がすごくいい。そしてなぜ夏に餅が大量に送られてきたのか、その理由で爆笑。ここは佐ん吉さんの今日だけのくすぐりだ。上手いな。そして「雨風」 登場、ここが好きだ。この男の餅が好きそうな様、食べる時のうれしそうな様子、全部いいな。曲喰いの躍動感といい、佐ん吉さんの 「蛇含草」 は前向きな表現がとてもいい。この噺は男二人のちょっとしたいざこざが前に出てくるようなやり様の人もいるけれど、佐ん吉さんのはそれはあまり強調しないで餅を食べるうれしさが伝わってくる高座だ。そしてそんな楽しさが下げのシュールさに活きてくる。今日一だと思う。佐ん吉さん2日続けて聴いたけど 「星野屋」 と 「蛇含草」、どちらもよかった。

終演まで90分強、短い時間だけど楽しかった。僕は本来は4席中入りなし、100分前後のコンパクトな会が一番好きだ。そんな意味でも少し遠いけれどもこれからも通いたい落語会だ。