2018.7..31 【喜楽館昼席】

【喜楽館昼席】

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7/11にオープンした喜楽館。できるまでいろいろとあったけれども、できた限りは落語ファンとしては成功してほしい。ずっとそんな思いだった。そして、開場20日が過ぎた今日、ようやく僕の初喜楽館の日となった。新開地近くの落語会「神戸らくごビレッジ」にいつも通っていたので、ある程度は出来上がるまでの過程もみていたのだけど、新開地の駅に着くと、至れり尽くせり、親切な案内表示がそこかしこにあって、地元の本気振りか感じられた。開場前に着いて待っていると。一番太鼓のりょうばさんと、本日トリの新治さんが登場。雰囲気は早くも盛り上がる。そして入場。やっぱり新しい劇場はいい。繁昌亭と同じくらいのキャパだけど、何か舞台が近くて、客席も二列目からゆるくスロープがついていてかなり観やすそうだ。着いた時はちょっと人が少ないかなと思ったけれど、続々とつめかけて開演時には1Fはほぼ満員。みなさんワクワクして待っている中、二番太鼓~石段で幕が開き、開口一番の八斗さんが登場した。

八斗 / 動物園
呂竹 / 桃太郎
こけ枝 / 始末の極意
英華 / 女動楽
花丸 / 金明竹
仲入り
のんき / 饅頭こわい
亜空亜SHIN / 変面

八斗さんも初喜楽館でトップで、いつもより少し緊張しているように見えたけど、「動物園」でスパッと受ける。
一方呂竹さんはいつものペースか。呂竹よろちく、こういう自己紹介は初めての客前では強いな。
こけ枝さんはかなり久しぶり。頭の事、髪の事でよく受けてから「始末の極意」へ。この噺正直あまり好きじゃないんだけど、こけ枝さん自身のキャラで押すような落語はとても楽しかった。
そして、英華さん登場。いいな、こういう華やいだ場には英華さんが一層映える。都々逸たっぷり、そして最後はかっぽれも。みなさんすっかりファンになったように思えた。
次は中トリ、花丸さんだ。修行時代の爆笑話が続く。こういう寄席では師匠に怒られた話とかは鉄板のまくらだな。で、何がかかるのかと楽しみにしていたら、「金明竹」だ。少し意外だったけれど、これも花丸さんの鉄板だ。特に流れるような立て弁がいい。僕はかなりの立て弁好きなんだけど、好きな音楽聴いている気持ちになる。

そして休憩明けは、のんきさん。かなり久しぶりだ。以前何度か聴いた印象では、そのアバンギャルドな風貌に対して、落語は意外なほど古典をきっちり、という印象だったけど、今日は落語もなかなかとんがってた。客席もいじっていたけどよく受けていたし、今日の寄席の流れの中では結構キーになった高座に思えた。
次が亜空亜SHINさん、全然知らなくて何する人なんだろうて思っていたけど、まあ、マジシャンなんだ。初めて観た時の楽しさのためあまり言わないことにするけど、とにかく楽しいよ。いい色物の人確保してるな。
最後は新治さん、さて何を掛ける、と思っていたらおなじみの養毛剤のまくらから「井戸の茶碗」。新治さんで何度も聴いているけれど、今日は殿の振る舞いが特によかった。もちろんこの噺では脇役なんだけど、主役級の三人だけでなく、こういう細かいところまで行き届いているのが新治さんの落語だ。終始とても気持ちよく聴けて、さすがにトリの仕事だった。

8席で2時間半、寄席としてはちょうどいい感じなのでは。これ以上長いと僕はしんどく感じる。トリまでが遠い。そして来るまでの想像以上に楽しくて、8/25昼席がとてもいいメンバーだったのでチケット買ってしまった。はねた後は商店街ぶらぶらして目当ての居酒屋があったのだけど、残念ながら火曜定休だったのでまた次回だ。
とにかく地元商店街や地下街、新開地駅総力あげての取組で、街の雰囲気がかなり変わったように思えた。いろんな意味でこの先楽しみな喜楽館だ。

そして僕は神戸に落語の定席ができて本当によかったと思えたのだけど、次は京都にも定席ほしいな。上方落語の成り立ちや歴史を考えると、繁昌亭の次は本来は神戸よりも京都だったはずで、現在も京都出身で京都在住の噺家さんもたくさんいることだし、どうなのかな。昔、京都花月があった京極なんかはどうだろうか。そんな気運ぜひ盛り上がってほしいなと思いながら、神戸を後にした。