2018.2.28 【月刊笑福亭たま・2月号@繁昌亭】

 【月刊笑福亭たま・2月号】

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毎月月末近い開催の「月刊たま」。今月も明日から3月、気温も高めで春の移ろいが感じられる。そして今日はゲストが文三さん、開口一番がりょうばさんという何とも楽しみな組み合わせだ。そしてもちろん、たまさんは三席。どんな会になるのかワクワクしながら開演を待った。

りょうば / 阿弥陀池
ぽんぽ娘 / ミッションインポしゃぶる
たま / がまの油
たま / 源兵衛玉
仲入り
たま / 新作ショート落語~散髪屋さん

りょうばさん、今日もとても表情が豊かでリズムもいい。アクションも大きくて登場人物それぞれのキャラもたっている。ますますこの人のいろんな噺を聴きたくなった。

ぽんぽ娘さん、口跡きれいだしギャグのセンスもいいと思う。さすがに浅草でピンでやってただけのことはある。でもどうしてこれほどシモにこだわるのかな。

そしてたまさん、前座の楽屋や下座での仕事についていろいろ。師匠が何を教えるのか、教えないのかとか。
「落語は役割語があるから登場人物のキャラがすぐに分かる」 という言葉がよかったな。続いて高島さんの本の話題で読みたくなった。で、一席目は 「がまの油」。この噺誰がやってもあまり変化がない感じがして、以前はそれほど好きじゃなかったんだけど、ここ数年たまさんを始めそんな気持ちを覆してくれる人のを何人か聴いた。たまさんのは酔っぱらった後の侍がとんでもなく危ない男と思えるところがいい。

続いてたまさん、二席目は 「源兵衛玉」。たまさんで聴くのは二度目、他の人でもほとんど聴いたことない噺なんだけど、何か筋立てが 「不動坊」 に似ている。落語のネタで似た噺てのはよくあって、「源兵衛玉」 も 「不動坊」 に負けずに面白いと思うのに、ネタとしての有名無名の差が大きい。そんなことを考えさせられるのも、たまさんがマイナーネタをとりあげてくれるから。「なぜあまりする人少ないかというと、面白くないからです」 という決まり文句があるけれど、必ずしもそうと思えない噺結構ある。

仲入り後はゲストの文三さん、たまさんのこといろいろと自分と比べてしゃべっていく。そのしゃべりが流れるようで、もうここから客席つかんで離さない。他の人の会にゲストで出る人でも、メインの演者の事全く話さない人もいるけれど、僕はこういう自分との関係性とか話してくれる人の方が好きだな。
そこからネタは 「はてなの茶碗」、で、これがもうさすがとしか言いようのない大爆笑。まくらからの流れが切れることなく客席を噺に引きずり込む。茶金さん、油屋さん、その他の登場人物、すべて文三さんが自在に操っていきいきと動き回る。喜怒哀楽の表現がいちいち素晴らしい。いや本当にいい落語を聴かせてもらえた。

最後はたまさん、まずショート落語から。今日は結構楽しかった。中でも「LED電球」が好きだな。後、「千里眼」も面白かった。そして噺は、かなり前にやったという事で 「散髪屋さん」、調べたら三年前に聴いていた。
僕は、福笑~たま師弟の商売屋さんシリーズがとても面白いと思っているんだけど、今日もなかなかだった。これこれからもっと聴かせてほしいネタだ。

ということで、今月も楽しかった。「月刊たま」 はとにかく盛りだくさんで、たまさんはもちろんだけど、ゲスト陣や若手の人も充実している。毎月開催でこれだけはずれのない会はそうそうないのでは。来月のゲストは花丸さん、また楽しみなことだ。