2017.10.4 【高津落語研究会@高津神社・末広の間】

 【高津落語研究会

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さて今日はリニューアル?なった「高津落語研究会」、500円上がって、前座が入ってどう変わるのか。そして今日の動員はどうなるのか、注目だ。日が短くなって並んでいる時早くも暗くなってきた高津神社、でも開演30分前の開場時間には約30人が行列をつくっていた。そして開演時には70数名の来場と値上げの影響は杞憂に終わったようだ。そしてこの会初めての前座・華紋さんから開演だ。

華紋 / 二人癖
たま / 近日息子
雀五郎 / まめだ
仲入り
南天 / くやみ
ひろば / へっつい幽霊
大喜利  (司会) たま 雀五郎、南天、ひろば
            (なぞかけ) 希望 宝物
      (お遊び) 名鳥名木

さて華紋さん、上がって 「高津落語研究会」初めての前座でとても緊張している。客席からこいつのために500円あがったという視線を感じる、とやって受ける。いいつかみだ。そこからネタは 「二人癖」、いつも通りいいリズム、いいテンポでトントンとすすめる。いろいろくすぐりも入っていてよく受ける。理想的な開口一番だ。これなら誰も文句はないだろう。

続いてたまさん、落語は登場人物が分からないものをお客さんが分かって笑うけど、「つぼ算」なんかでは時々お客さんも混乱して分からなくなる。そういう状況に持っていかずに分からせるのが演者の腕で見せどころだと。そうなのかな。僕は 「つぼ算」は逆に聴き手を混乱させるのが演者の腕だと思っていたのだけどね。そして、二世の噺家をすこしいらってから 「近日息子」へ。
たまさん、最初から飛ばす。怒る親父、マジボケの息子は棺桶手配して平然、ここが前半のやま。そしてその後唐突に謝らない男が登場、主役の座をかっさらいそうな勢いで、次々エスカレートしていく。こういう時のたまさんのしゃべりのどこまでいくねん感はいつもながらすごい。僕は中でも 「天ぷら食いたい」 が好きだな。4人のトップから気合が入ってる。

次は雀五郎さん、何度か聴いた吉弥さんがらみの、ドラマ 「ちりとてちん」 のまくらで受ける。そこから 「まめだ」、雀五郎さんでは初めて。この噺落語の季節ネタでは一番少ない秋の噺なんだけど、とてもしんみりしっとりした噺だ。そして亡くなった子狸の墓に風にあおられた落葉が集まってきて秀逸な下げに。やはりここが聴かせどころだと思う。雀五郎さん、最近いろんなネタがその独特な間とテンポによってとても心地よく聴こえてくるのだけれど、「まめだ」 については、しっとりした感じがあまり出ていなかったように思う。また聴きたい。

仲入りはさんで南天さん、値上げにもかかわらずよく入った客席にリッチな人が多いと。そしてひろばさんとのツーリングの話、仲が良くてとても楽しそうだ。ネタは 「くやみ」、何度も聴いてるけれどおなじみの 「くやみ顔の創り方」 から。いつも爆笑だ。噺に入りくやみ客が何人か来た後、いよいよのろけ男の登場だ。南天さんここでちょっと近日息子のネタとりこんで 「ちょっと似てるとこあるな」 ていうか、この二つのネタはいわゆる、ついてる、ネタだと思うのだけど。まあ、高津ではそんなに気にしないのだろう。僕も基本ネタが付くのはほとんど気にならない方だ。それに 「近日息子」 と 「くやみ」 は、本筋と離れたところに突然現れた登場人物が、まるで主人公であるかのような大活躍をするという点でもよく似た噺だ。このくやみ男の件を南天さん大熱演で、振り上げた手を梁にぶつけて、直ぐに取り込む。アクシデントにも強い。最後は唄まで今日一番の爆笑続く。

最後はひろばさん、冒頭で 「南天の相方ひろばです」 隠岐の島ツーリングのこといろいろ。ツイッターでお二人が連日上げてた画像が、今年は特に楽しそうでとても好評だった。そこからネタは 「へっつい幽霊」、何人目かの客が少し怖そうなんだけど、ひろばさんはこういうキャラが合う、と思っていたら脳天の熊五郎登場して1円つけてくれるのならへっつい引き取る、となって、出てきた300円をさく坊と山分け、直ぐに使い切って幽霊から返せと言われる。この後半の熊五郎と幽霊のやり取りがとてもよかった。ひろばさんの熊五郎は3割がた怖い。幽霊もビビるはずだ。「出てこい幽霊!!」

そして今日も大喜利、なぞかけは終始鮮やかに、お遊びは、lこんな木にこんな鳥がというもので、最初難しそうだったけれど、こちらも直ぐに調子が出て楽しかった。

リニューアル1回目、70人以上入ったということで、大半の人には500円値上げは関係ないということのようだ。てことは今までの2000円が安すぎたのか。そして今日は皆さん気合が入っていたのか、よく受けてかつトントンと進んで、結果的には終演時間もほぼこれまでと同じぐらい。まずは大成功だったのでは。だけど、今日は前座の華紋さんもとてもよかったので、そういう人はいっそ高津の新メンバーにして5人のユニットにするとか、正式メンバーは無理でも準レギュラーみたいなポジションにするとか、そんな発想もまた楽しいかな、とか考えてた。そして僕はやはりこれからも 「高津落語研究会」 に通うことになりそうだ。