2017.10.2 【蒲生四丁目寄席@聖賢会館】

 【蒲生四丁目寄席】


地下鉄・鶴見緑地線蒲生四丁目という駅があって、京橋で乗り換えて一つ目なんだけど今まで一度も降りたことなかった。そこで以前からやってる 「蒲生四丁目寄席]、 雀五郎さんがレギュラーで前から気になっていた会に今日は初めてやってきた。チラシの地図を見ながら来ると駐車場の上にある少し不思議な建物だった。入ってみると和室だけど、すべて折りたたみのパイプ椅子が並べられていた。やはり座敷に座布団は嫌いな人が多くて、和室でもこうあってほしいという見本のような設えだった。そして今日の客席は24名、雨だけど前回よりも1人少なかっただけだそうだ。普通に考えるとなかなか珍しくみえるこの三人のユニット、かなり以前から続いているはずなので、どういう流れの会になるのかを楽しみに開演を待った。

右喬 / 十徳
雀五郎 / くやみ

最初は右喬さんから、ここが本当の秘密倶楽部ですと入る。そして、この人を随分長い間聴いてないなと思っていたら4年半ぶりだった。でも一門の方の高座でまくらでよく登場するので、そういう印象が強いのだけど、今日の 「十徳」 はとても聴きやすかった。なんて言うか先入観を改めなくては。他の噺も聴いてみたい。そして三人の中で右喬さんが一番年季が上なのも初めて分かった。

次は雀五郎さん、この方目当てでやって来たわけで、今日のネタは 「くやみ」。雀五郎さんで何度も聴いてるけれど、やっぱり聴きどころは果てしなく加速していくのろけ男の件、道具箱を嫁が持ちたがるあたりから常道でない感じで、たらいの行水で背中を合わせあって、夫婦の間に年は関係ないと、やったりとったり。三味線と唄でお互いほめ倒す。ここまでマシンガンのしゃべりで一気に下げまでもっていく。雀五郎さんのこういう展開もある種リズム落語だな。そして、この噺はのろけ男が周りに困惑を振りまき続けるので、雀五郎さんの独特の間と困惑顔も堪能できる。

そして、今日のトリは菊丸さん、以前は結構聴いていたのだけれど、最近ちょっとご無沙汰していた。今日は吉の丞さんをちょっといらってから 「井戸の茶碗」、ネタおろししたことろらしい。僕は菊丸さん、女性の表現力がとてもいいと思っているのだけど、「井戸の茶碗」 はほぼ女性は出てこない噺だ。高木が仏像を手にした時、さらっと大きさをみせる。案外大きい。この辺りまで表情も口跡もいい。そして、出てきた50両どうするかで、やりだ刀だと屑屋に物騒な高木と千代田、ここで爆笑。この時屑屋がきっかけ言うのでなく、千代田が自ら茶碗を持っていくこと提案するのがちょっと違う。そしてその茶碗が300両になって……。
菊丸さん、千代田、高木、屑屋の三者を的確にかつ面白く演じ分けてなかなかの聴きごたえだった。

木戸銭が千円、三席で90分弱ではねるコンパクトな会だけど、三者三様の個性でとても楽しかった。出番順が変わった時にどういう感じになるのかまた楽しみだ。ただ僕の家からだとかなり行きにくいのが難点だけど、
「魚庭(ナニワ)本店」 といういい立ち飲み屋が駅の真上にあるのも見つけたしこれからも通うことになりそうだ。
次回は1/22 の開催。

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「魚庭本店」 の中トロ、\599 で旨いこと