2017.8.12 【R-たま10・微笑落語会@高津神社・高津の富亭】

【R-たま10・微笑落語会】

イメージ 1

さてこれで3日連続の高津神社通いなのだけど、今日はいつもの末広の間ではなくて 「高津の富亭」でたまさんの 「微笑落語会」、古典ネタおろしの会だ。この会現在は不定期開催になっているけれど、7月8月とたまたま2か月連続の開催となった。元々初心者の方向けの会ではないとチラシには書かれていたのだけど、前回の7月に来た初心者の人がアンケートにいろいろと居心地の悪さを書いたらしい。
てことで、今回からこの会は 「R-たま10」~たまさん主催の会に10回以上来ている人対象~初心者お断り落語会、と更にはっきりと明記されることになった。こんな落語会聴いたことない。果たして客は来るのか。

と思っていたら、最終的には約40人の動員、たまさんがこれぐらいでやりたいと言っていた数字にピタリ、相変わらず的確な読み。だけど本当に初心者は来ていないのか。それは分からないけど、とにかく開演した。

白鹿 / 千早振る
たま / 天狗裁き
八斗 / 野ざらし
たま / 紀州  踊り「門松」
仲入り
たま / 禍は下

白鹿さん、文鹿さんのお弟子さんだけど、一門のとある姉弟子からの仕事が怖いらしい。まあ、わからなくもないけど。そしてこの人、以前聴いた時もなかなか達者だと思っていた。今日の 「千早振る」 は、ちょっとネバい口跡だったけど、表情とリンクしていて楽しかった。

たまさん、今日2500円て告知していた木戸銭を急遽2000円に下げたことについて、今日のプログラムでは2000円だと思ったから、と説明。今日限定で次回微笑からは2500円に戻すとのこと。こんな臨機応変さもたまさんらしいか。 そこから 「天狗裁き」、リピート噺で正直聴いていて飽きやすいネタだと思うけど、たまさんのは、相手が変わるごとに偉そうさがエスカレートしていき天狗ではもう最上級なのが面白かった。そして最後の女房の 「ちょっと、あんた」 と起こす時の手元の所作が印象的だった。僕はこの男夢はみてたと思ってるけどね。

続いて八斗さん、上がって今回の出番をたま兄さんから頂いた時、三つ目と聞いて驚いたと。そして急遽2000円になったのは僕のせいではないのかと気にする。そしていろんな人の趣味の中で釣りが一番理解できないと。そこから噺は 「野ざらし」、リズム悪くないし、歌のことろのフラフラした感じもいい。そしてばあさんの幽霊登場する場面がこの噺のクライマックスか。なかなかよかった。

次はたまさんの二席目、八斗さんが言ってたことについて、使う噺家の力量の幅は分かっているから全然問題はないと。これもたまさんらしいな。先輩でもそうなんだろうな。そこから 「紀州」、地噺なのでまくらのような本編のような、徳川15代についてのいろんなクイズめいた話題を並べる。これも楽しかった。紀伊家と尾張家とのやりとりの中で次期将軍が決まって、地口の下げになるのだけど、なんとここまでが遠大なネタふりだった。本当の本編は上方落語界の話なんだけど、とてもこれ以上は書けない。なんともとんでもない 「紀州」 だった。
そして踊りの 「門松」、正月風景の踊り、色替りでこれも楽しかった。踊れる人は落語の後数分でいいからもっと踊ってほしいなと思う。

仲入り後、最後はたまさん、めかけと愛人の違いについて、めかけは公然、愛人は内緒だったと。で、公然と言っても本妻にはそらいろいろ気を遣ったと。てことで 「禍は下」、東の 「権助魚」 だ。この噺はもう定吉が都合よくあっちについたりこっちについたりするのが楽しいのだけど、終盤の御寮さんの迫力、とぼける定吉、そして最後に畳んであった袴をぐしゃぐしゃにして定吉に畳んでみろという御寮さん、本妻とめかけはこの噺では直接顔はあわさないけれど、丁々発止だな。たまさんの丁稚は結構かわいい。

微笑落語会は、なんだかんだ言ってもたまさんの古典ネタおろしのが三席聴けるとあってマニアには人気だ。そしてこれは7月の会も今回もだけど、40人ぐらいの客席で男性は10人足らずと女性が圧倒している。たまさんの他の会いじょうに女性率が高い。どうしてなんだろうか。この小屋に女性を引き付ける何かがあるのか。分からないな。