2017.4.27 【月刊笑福亭たま・4月号@繁昌亭】

 【月刊笑福亭たま・4月号】

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さて今月も「月刊たま」の日がやってきた。でも残念なのはこれで3か月連続他のとても行きたい落語会とかぶってしまって、更に5月も同じ状況になってることだ。僕は「月刊たま」は優先順位がほぼトップに近いので、それでも毎月来るんだけどやっぱり複雑だ。日程的にはこちらが先に決まっていると思うのだけどね。
で、そんなことがあるからでもないのだろうけど、何か最近「月刊たま」のパワーが少し低下しているように感じる。たまさんの会は他にもいろいろあるので、トータルでは十分満足感はあるんだけど。そんな風に感じているのは僕だけなのかな。まあとにかく、今月も開演だ。

二葉 / つる
染吉 / 明石飛脚
たま / たいこ腹
たま / お玉牛
仲入り
文華 / 打飼盗人
たま / 新作ショート落語~新作ネタおろし 「根性」

二葉さん、先日師匠の米二さんが 「二葉はアホが似合う」 と言われてたのが印象的だったけど、本当にそう思う。「つる」 はこの間 「吉坊ノ会」 でも聴いて今月二度目なんだけど、いろいろと細かいギャグが盛り込まれていてそれが噺のテンポをさらによくしてる。ジンベエザメと日本のアホがとても好きだな。そして今日は最後に頭を下げたタイミングが何か少し違ったように感じたんだけど、それも印象に残るタイミングだった。二葉さんこれまでも結構聴いているんだけど、今日が一番良かったと思う。

続いて染吉さん、先日のグランプリ予選二位通過の 「腕喰い」 がとてもよかった。 
そして今日は 「明石飛脚」、「どっこいさのさ」から走る時の定番の音は好きなんだけど、この噺は客席に不協和音をもたらす、ていうと大層だけど、どこが下げか分からないからその都度拍手が入る。それがどうなのか。拍手が一瞬入るぐらいの状態でばらしてしまうのが一番いいと思うのだけど難しいんだろうな。

そしてたまさん、今日は政治ネタから先週 「できちゃった」 メンバーで落語会に行った鳥取の話、米子vs鳥取の話は面白かった。どこにでもそういうのはあるんだな。そしてアンケートの件、用紙の写真撮るの忘れてたけど、繁昌亭昼席活性化のためのものだ。まあ、その内に何かに反映されればいいかなと。
そこからネタは 「たいこ腹」、これも東西通じてよく掛かる噺だけど、たまさんのは一八のビビりようがおかしかった。でも意見鍼と迎え鍼の順序が普通とは逆だったけど、これはあえてそうしたのだろうな。

二席目は 「お玉牛」、三代目の話はなしにネタに入る。たまさん、登場人物の名前が面白いと。あばばの茂平、確かに。でもなにかいわれがあるんだろうな。そんなこと考えてるのも楽しい。
この噺はもちろん三代目で有名なのだけど、今日のたまさん、変にエロかったな。その辺りがないと、いくら落語とは言え 、お玉と牛と、なんで区別がつかない、と思ってしまう。基本あまり好きな噺じゃない。

仲入り後は文華さん、先週の昼席で久しぶりに聴いた。また聴きたいなと思ってたら、こういう様にすぐに機会がある。不思議なものだ。そして泥棒の細かな呼び名の紹介、このまくらマニアックで好きだな。そしてネタは 「打飼盗人」、夜中に盗みに入った泥棒がそこに住む男の貧乏ぶりに同情して次々金をやってしまう噺だけど、文華さん独特の間ととぼけた味わいがとてもいい。男が盗人に言う 「あんた、人のもんただとるだけやから、あっさりくれまんな」 で爆笑。ようやくこの人の落語の魅力が少し分かってきた。

最後たまさん、ショート落語は今月もあまり印象に残らなかった。「ダイソン」 と後なんだったか。
新作ネタおろしは 「根性」、最近シンプルな演題が多いけれど、まだ素材ていうことなんだろうか。でも今日のはかなり完成度高かったと思うのだけど、月刊でかけた新作そのままレギュラーになることあまりないもんな。
アスレチック場での訓練がもうとんでもなくて、アレルギーな人の登場とかいつもながら楽しい。やっぱりたまさんの新作は聴き手の予想を超える展開が一番のキモだな。

今日ももちろん楽しかったのだけど、二葉さんに文華さん、そして先週抜群だった染吉さんと、たまさん以外の人もとてもよかった。三者三様がいいバランスになってるのも 「月刊たま」 の魅力の一つだ。ただ、最近ショート落語がちょっと調子が悪そうに見える。たまさんの落語の中では結構大きな要素だと思うので少し気になる。