2017.3.31 【ほうらい寄席・きちきちの会 vol.18@尼崎・天然温泉蓬莱湯】

 【ほうらい寄席・きちきちの会 vol.18】

イメージ 1

尼崎センタープール前からほど近い「天然温泉・蓬莱湯」で、年に何度か行われている佐ん吉さんと吉の丞さんの落語会。僕は去年の9月に初めて来て以来二度目だ。その時の印象としてはなんとも雰囲気のいい会で、高座の二人と客席とが気持ちよく一体化しているのが印象的だった。しかし今日は3/31だというのに季節外れのとんでもない寒さに加えて午前中から結構な雨が降り続く。そんな中をぬってやってきた人たちの中でこの会らしくゆったりと開演した。

トーク / 佐ん吉・吉の丞
佐ん吉 / 阿弥陀池
吉の丞 / へっつい幽霊

まず二人登場して、高座をはさんで両側に立っているので、対談というよりトーク。で、お客さん少ない時ほどきっちりした高座しないといけないと、先輩に言われた。そして先日のある他の落語会でのある師匠の実例、なるほど。それはぜひその場にいたかった。そしてそこから吉の丞さんが佐ん吉さんに焼肉誘われた話の顛末に納得いかなかったようで仕掛ける。これは吉の丞さんに分があるのでは。ならばと佐ん吉さん、岡町落語ランドのチラシ配布の件を持ち出す。これはよく分からないけど、佐ん吉さんの方が理にかなってる気がする。トークバトルは引き分けだ。その後今日で終わった佐ん吉さんのラジオ番組のこと少し。

そして今日は佐ん吉さんから、トークの続きで、自分たちが入った頃と比べて、今関西では噺家がメデイアになかなか出れないと。確かにそうだ。でも数少ない噺家さんが出てるラジオはどれも面白いんだけどな。放送局の人どう考えてるんだろう。で、そこからネタは 「阿弥陀池」、佐ん吉さんで初めてかなと思っていたけど、調べたら3年前に一度だけ聴いていた。でもその時の印象あまりなかったけれど、今日は冒頭からいい感じで、風邪明けとは思えないほど声も良く出ていた。この噺は終始無理からなことを引っ張って笑いに持っていくようなところがあって、強引なところがあまり好きじゃないんだけど、佐ん吉さんのはいつも通りとてもナチュラルで自然に耳に入ってきて気持ちよく聴くことができた。

吉の丞さん、落語に出てくる言葉が最近益々分かりにくくなってきてると。で、実は尼崎のある高校の非常勤講師で、そこで授業として落語をやっている。そして、そこで出る質問がとんでもない、と。「おまはん、が、オマハンという人の名前になっていた。」という話には驚いた。でも今の高校生には、おまはんは分からないだろうな。
そこから、分かりにくい言葉いくつか並べて 「へっつい」 ももう無理だと。で、 「へっつい幽霊」、吉の丞さんでは初めてだ。吉の丞さんの落語は、何と言っても勢いが気持ちいいのだけど、そこは吉朝一門だけあって緩めるのもまた面白い。後半1円つけてへっついをもらった強気な男と、その男にビビってる弱気な幽霊の対比が面白い。そして幽霊の賽を振る手つきで爆笑だった。でも、へっつい知らない人がこの噺聴いても、相変わらずへっつい分からないよな。

でも今日も楽しかった。お二人はもちろん、吉朝さんの六番弟子と七番弟子になる。つまり一門の下から二人だ。で、トークといい落語といいこの会の何とも言えないいい雰囲気は、近い兄弟弟子ならではの親和性みたいなのにあるのではと思っている。6月の吉朝さん十三回忌の三日連続一門会も、6/9この会の次回もとても楽しみだ。これからもできるだけ来たい 「ほうらい寄席」 だな。