2016.11.28 【月刊笑福亭たま・11月号@繁昌亭】

【月刊笑福亭たま・11月号】

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さて今日は毎月待ち遠しい 「月刊笑福亭たま」 の日だ。ゲストは鶴二さんで、トークゲストは漫画家の平松伸二さん。そして、たまさんがネットで言ってた 「新しい目標」 が明らかにされる。今日も盛りだくさんで色んな意味で楽しみだった。客席は1F満員で補助席も出てる。最近この会の客層、新しい人も多いけど来なくなっている人も結構いるように思う。やはり新しい顧客が入らないと減っていく一方てのは、どこでも同じだ。
そして、僕は指定席の場合、30分前の開場少し後ぐらいには入るようにしている。それは開演までの間に知り合いの人達とその日の演者のことや落語界のことについて、たわいもない話をするのも落語会の前振りのようなものだと思っているから。そんなこんなで今日も開演だ。

慶治朗 / 狸さい
たま / 山寺飄吉
鶴二 / 御神酒徳利
たま / 子は鎹
仲入り
対談 / 平松伸二・たま
たま / 新作ショート落語~ 「清掃業者」

慶治朗さん、とてもおだやかな表情と口跡での落語、何か客席を和ませる開口一番だ。兄弟子の米輝さんとはまた違う魅力がある。

たまさん、師匠の福笑さんの出囃子 「佃くずし」 で登場してネタ出しの福笑作 「山寺飄吉」 へ。
でもその前にいろいろと話があるようだ。最初に慶治朗さんの師匠米團治さんネタで爆笑。内容はちょっと書きにくい。それからまた新しく繁昌亭集客委員になったと。これたまさん最適任じゃないかと思う。そして、予告していた次の目標は、なるほどそういうことか。長いスパンの話やから見届けたいなと思った。
しかし、入門した時20年ぐらいまでに200人の落語会を毎月するのを目標にしていて、20年経たず実現できたのはさすがだ。で、そうそうと、ある東京の噺家のたまさんがらみの話、これびっくりした。
「山寺飄吉」 はもう福笑さん全然されないし、たまさんでもかなり以前に聴いたきりだ。母子を人質にして立てこもる犯人、そこに駆け付けたとんでもないキャラの旧知の刑事・山寺、確かに構成がたまさんというより、福笑さんぽい。しかし、母親のぶっ飛びぶりはたまさん脚色のような気がするんだけど。この噺、たまさんにはもっとやってほしいな。

続いて鶴二さん、六代目最後の弟子でたまさんとは叔父・甥の関係になる。福笑たま師弟と三人で居酒屋からカラオケに流れた時の話で爆笑。客席みて 「たまさんの会は女性のお客さんが多いですね」。確かに他の笑福亭の会では大概おっさんが圧倒してる。僕も個人的には女性が多い客席のが好きだ。
そこから噺は 「御神酒徳利」、何て言うかいい噺だ。いい人しか登場しないし、ストーリーは落語的で楽しいし。
鶴二さん、達者で面白いと思っているのだけど、案外聴く機会が少ない。もっと積極的に聴かないと。

たまさん、二席目は 「子はかすがい」、大阪版でやりますと。これは母親が一人で出て行っていて、亀ちゃんとたまたま会って、という流れの噺。これは聴くの初めてかもしれない。今、一番多いのは出て行った父親が亀ちゃんと合うパターンで、もう一つは母親と一緒に出て行った亀ちゃんが父親と会う流れ。母親が亀ちゃんと会うのは今まで聴いた事なかった。元々の上方はこっちだったのか。でも新鮮で楽しかったけど、50銭もらって帰ってきた亀ちゃんを問い詰める場面は母親の方が真実味がある。
あと、とみやのきんつばがなぜまずくなったのかが気になった。

仲入り後のトークは漫画家の平松伸二さん。僕はこの人の作品はほとんど読んでいないのだけど、たまさんとつながるきっかけは、この人が 「ドーベルマン刑事」 の作者で、作品を知らずに新作落語ドーベルマン刑事」 をつくったたまさんの落語会に平松さんが聴きに来たことらしい。
で、たまさん、今日もうまく相手の話を引き出す。ネームまでが設計図で、そこから下書きとペン入れになると。自分の新作落語と比べて落語ファンにも分かり易い展開。クリエイティブな工程を垣間見るのは楽しい。
しかし、平松さんのお弟子さんが 「キャプテン翼」 の高橋陽一さんというのは驚いた。
たまさん、トーク中で次の新作がまだ完成していないことを告白する。写真は平松さんが最近制作している漫書とうもの。たまさんもらってうれしそうだった。

最後、ショート落語は、木星旅行、宇宙人発見、米二一門会、とか。
新作ネタおろしは 「清掃業者」、ビルの窓そうじの噺で、そうじ中に室内のいろんな光景が目に入るけれども観てないふりをしないといけない。中でも爆笑は、動物園の虎の歩き方を練習してる場面。これをもちろん無言で表現する。で、すぐに次に移ったけど、さっきのは誰やってん、となる。
なかなかまとまっていて育っていきそうな噺に思えた。

今日も約2時間45分の長さだけど、いつも通り楽しくて長さを感じさせない。次回は第三期ファイナルで、トークゲストはあの釈撤宗さん、「落語でブッダ」 の再演だ。