2016.7.29 【月刊笑福亭たま・7月号~第3章@繁昌亭】

【月刊笑福亭たま・7月号~第3章@繁昌亭】

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「月刊たま」は今月から第3章のスタート。毎回各界からのトークゲストが登場する。最初の今月は、2014ミスユニバース大阪代表の岡根安里さん。何やら客席にも若くてきれいな女性がいつもi以上に多い気がしてほぼ満員。華やかな空気につつまれて開演した。

天使 / 元猫
たま / 強情
三象 / 宿題
たま / 次の御用日
仲入り
トーク / 「美しくあるには」  岡根安里・たま
たま / 「新作ショート落語」~「新作ネタおろし」

天使さん、元猫はもちろん元犬の改作。繁昌亭で「猫好き落語会」があった時に米紫さんがつくったのを天使さんが更にアレンジ。天使さんのがいいと思う。天使さんで聴くの二度目だけど、顔洗うしぐさがいいな。ひとつ気になったのは裸だったはずのところ、触れられなかったけど、あえてそうしたのかな。そうだろうな。

たまさん、今日初めての人のために神戸2号店の話。さすがに簡潔的確にまとめる。えらい受けてた。
続いて引越しのトラブルの話,「Badです」 と 何度か言わされた某プロバイダーの担当の人、そないに悪くない気もする。しかしたまさん、引越しするたびにまくらの大ネタを仕入れるな。ただで起きんな。
で、最近イライラすることとか、ちょこっとしたもめ事が多いと話して、ネタの 「強情」 に。
まくらからシームレスにつながった。この噺、4月のナイトヘッドでのネタおろし以来聴くの二度目。前回の時も既にかなり完成してる印象だったけど、今回も当然それ以上。借りた金を返す受け取らないで、しょうもない意地を張り合う噺。なんかたまさんに合ってる。

次は三象さん、いつもの自虐的まくらで受ける。初めての人でも何か普通でないものをこの人に感じたはずだ。
そういう第一印象に対して、落語はかなりきっちりとしている。「宿題」も何度か聴いたけど、普通に面白い。
この噺いろんな人が掛けているけど、三象さんのは極端にボケない。本来噺自体にかなり笑いのパワーがあるから、普通にすれば面白いと思う。三象さん曰く、寄席にはわけの分からない芸人も必要なんだそうである。

たまさん二席目は 「次の御用日」。この噺すごく好きなんだけど、ポイントは物売りの気怠い声や天王寺屋藤吉が駆けてくる住友の浜で真夏の情景がくっきりと浮かび上がるところ。
だけど、中には下げ前の 「あーっ」 のところがポイントだと言う人もいる。でもその 「あーっ」 がポイントと言うには、そんなんでとうやん怖がるのかな、という 「あーっ」 もあって前からその辺りが疑問だった。
たまさんのこの噺、何度か聴いてるけど、物売りの声も怖くて真夏の情景は浮かび上がらない。だからあんまり好きじゃなかったのだけど、今日はその 「あーっ」 が以前より長くて怖くてしつこくて、20回以上言ったと思うけど、ここがポイントだという説得力のある 「あーっ」 だった。
そして奉行が 「もう一度尋ねる」 と言うたびに笑いが大きくなった。
僕の好きな 「次の御用日」とは全然違ったけれど、これはこれでまた楽しかった。これが落語だな。

中入り後はいよいよ岡根安里さん登場。幕が上がって 「う、美しい!」 繁昌亭の舞台がこれだけ華やかなのは初めてみた。身長180cm、21才の大学生で、一昨年のミスユニバース大阪代表。しかも高校はたまさんの後輩で名門校出身。しゃべりもしっかりしていて、みている人に好感度しか与えない印象。何か非の打ち所がない
トークの内容は、きれいに見せるには、例えば歩き方とか。ここで全面に毛氈ひいた舞台で歩き方をやってみる。
ミスユニバースの歩き方と、モデルの歩き方は全然違うと。ミスユニは自分を見せる。モデルはあくまで服をみせるんだそうだ。
ここでたまさん、天使さんを呼び込む。私服の天使さん登場し、岡根さんからレクチャーをうけ、二つの歩き方を披露する。そら岡根さんとは違うけど、でもそれはそれで天使さんもいい。
今日のテーマの 「美しくあるには」 岡根さんは一日に一時間以上鏡をみているそうだ。全身映る鏡にできれば全裸で。終演後、明日から鏡みるわ、という女性が続出した。
たまさんは、ホスト役で相手の話引き出すのうまいな。誰かとえらい違いや。しつこいかな。でも言う。

最後、比較的短い時間で出てきたたまさん、客席もたまさんも今日のメインは終わった感が強かったけれど、
「新作ショート落語」、予想通り、ポケモン関連いくつか、後、2号店、ダイソン、ジェットタオルとか登場。
岡根さんと話した直後だからか、たまさん楽しそうだ。
「新作ネタおろし」はごく短くてまだ素材の段階。他の噺とつなげてどうなっていくかだろうけど、僕は期待できると思う。何せたまさん得意の母ものだけに。

てことで、華々しくスタートした第3章、来月のトークゲストは日舞の西川梅十三さんで、これも楽しみだ。
そしてこの 「月刊笑福亭たま」 は上方の定期的な落語会の中では落語初めての人を連れて行く会としてベストだと僕は今日確信した。