2016.6.13 【社会人のための文楽入門@文楽劇場】

【社会人のための文楽入門】

文楽鑑賞教室、9日A班に続いて二度目の鑑賞は、通常のD班の公演がほぼいい席とれなかったので、13日の社会人のための~公演に行くことにした。

二人三番叟

文楽のいろは (ご案内) 春野恵子

夏祭浪花鑑  釣船三婦内の段 / 長町裏の段

三番叟は今日は良かった。三味線に乗せてはじけて踊る。頭の中でリズムが旋律がぐるぐる回る。やっぱり三番叟はこうでなくっちゃ。

続いて「文楽のいろは」。浪曲師の春野恵子さんがナビゲーターになって三業の人にいろいろと聞いていく。舞台では、今回の公演ではかからない「住吉鳥居前」を10分程度演じられる。演技を少し止めたりしながらそれぞれの技芸員の人に恵子さんが質問する。あくまで初心者向けとしては良かったと思う。
文楽初めての人?という問いかけに、手を挙げたのは1/3ぐらい。やっぱり通常の鑑賞教室同様、初心者向けと言ってもマニアな人たち普通に来てる。

そして「夏祭浪花鑑」、三婦内では口の希さんが不調に聴こえた。三番叟では全然そんなこと感じなかったのにどうしたんだろう。でも続いた咲甫さん、小住さんはきっちり盛り上げる。一輔さんのお辰がよかったな。
で、長町裏。ここはなんと言っても津駒さん、義平次がむちゃくちゃ憎たらしい。顔までむかつく。なぶり殺しにされる役だから、汚れ役と言えばそうなのかもしれないけど、義平次への憎たらしさが大きくなるほど、団七を受け入れやすくなる。その団七の幸助さん、この人はやっぱり動きが大きい。身体が大きいからというのでなく、ピッチャーで言えばフォームが大きい。だからダイナミックにみえる。そして、床の音が止まり無音になって義平次にとどめを刺す場面までの緊迫感がすごい。かなりいい団七だと思う。
もちろん靖さんの団七も義平次に懇願するシーンが切ない。頼んでも頼んでも相手にされない。そして「親殺し」だと。ここで 「ええいままよ」 と思ってしますところの変化。熱狂の語りで靖さんにも堪能した。

この公演もすごく楽しかったんだけど、初心者向けというなら、もっとマニアが遠慮してて初心者が来やすいような工夫はできないものか。それで動員できるような仕掛けがなにかないのかな。今のままだと通常公演とそんなに大きく変わらない。まあ、これでいいというのなら、僕ら年数的に中途半端なファンはそれでいいんだけどね。

それと劇場手前のたこ焼き屋のカウンターにある著名な噺家さんが開演前一人で飲んではった。まわりも知らん顔で、えらい庶民的なとこに行かはるんやなと。浄瑠璃好きで有名な人だ。