2016.3.7 【繁昌亭昼席・菊丸繁昌亭大賞受賞記念ウィーク】

【繁昌亭昼席・菊丸繁昌亭大賞受賞記念ウィーク】

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久しぶりの繁昌亭昼席、最近結構平日でも客入りがいいようだけど、今日も補助席はないもののほぼ満員。菊丸さんの大賞受賞記念ウィークということでなかなかの好メンバーだ。口上には染丸さんも登場する。

愛染 / 狸の鯉
二乗 / 普請ほめ
銀瓶 / 宿題
ラッキー舞 / (大神楽)
文鹿 / 延陽伯
仁智 / 源太と兄貴
仲入り
口上 / (司会)生喬 染丸、菊丸、仁智、銀瓶
生喬 / ピカソ
春蝶 / 紙入れ
菊丸 / 猿後家

愛染さん、いつも通りきっちりしてるけど、ちょっと口跡がくどいかな。

二乗さん、噛んで含めるような丁寧な語りだ。そこからじわじわと可笑しみが広がってくる。

銀瓶さんでこの噺何度か聴いた。三枝・作で、すごく笑いの力のあるネタだけど、銀瓶さんのは父親のうろたえぶりにいい味がある。

ラッキー舞さん、大神楽は力技的な部分もあるので女性だとヒヤヒヤの度合いが増すけど、それはそれでまた楽しい。いい色変わりだ。

続いて文鹿さん、二日連続だけど今日は古典。「延陽伯」はすごく勢いがある。この人も新作と完全な両刀使いだな。しかし文鹿さん、羽織着るの嫌いなのかな。

中トリ仁智さんも二日連続だ。野球のまくら、福本豊の話になって爆笑だったので、またあの噺かと思ったけど、「源太と兄貴」。これも散々聴いたけどなかなか飽きない。だけど今日は少し受け方が甘かった。客席のノリがいまひとつだったのか、やくざネタへの反応なのか。

中入り後は口上から。司会が生喬さんで、染丸さん、菊丸さん、仁智さん、銀瓶さんと並ぶ。よくしゃべってはった染丸さんがお元気そうでよかった。

続いて生喬さん。早替りのように着替えて登場。絵の話、有名なピカソがらみの小噺から「ピカソ」。これは先代春蝶作で、冒頭の「ピカソいてるか」「なんやねんマチス」で客席をわしづかみにする。以前生喬さんが言ってたけど、もともとはマチスじゃなくてゴッホだったのを、時代が合わないから生喬さんがマチスに変えたらしい。
今聴いても斬新な新作だけど、生喬さんまくらでも本編でもかなり絵画の専門的なこと話していて、客席の知らない人は「この人何者?」と思ったのでは。芸大で油絵描いてたの聴いたた方が客席落ち着いた気もする。

モタレは春蝶さん、この人の「紙入れ」久しぶりだけど、ますますデコラティブになってる。父親・作の「ピカソ」の後に上がるのもなんかの縁だろう。

最後トリはもちろん菊丸さんで「猿後家」。菊丸さんは女性がかなり似合う。上方指折りだと思う。菊丸さんの「悋気の独楽」なんかもかなりいいと思うのだけど、「猿後家」のお家はんは落語に登場する女性の中では、ちょっと異質だ。でも、べんちゃらに素直に喜ぶところなんかの受け方に可愛さもある。今週一週間何をかけはるのか楽しみだな。

今日の昼席は口上も含めて聴きたくない人が一人もいなかった。これは案外大きくて、せっかくいい流れでも一人そういう人が入るとマイナスに作用するから仕方がない。最初から最後まで気持ちよく聴けたいい流れの寄席だった。