2015.11.29 【たまの日曜独演会@御堂会館南5Fホール】

 【たまの日曜独演会】

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写真がないので今日から始まった御堂筋イルミネーションを替わりに。で、今日は他にもF1フェラーリが御堂筋を走る、というイベントもあり、それがスタート場所といい時間といい、この落語会とモロにかぶっていた。確か高座は御堂筋側やし一体どうなることかと物騒がせにスタートした。

紫 / 延陽伯
佐ん吉 / おごろもち盗人
たま / ぐつぐつ
たま / 紙屑屋
中入り
梅団治 ./ 鬼の面
たま / ショート落語~怒り心頭
(三味線) はやしや律子

紫さん、超LLの話で爆笑。僕はこんな言葉知らなかったけど。そこから「延陽伯」、相変わらず少しずらすような独特の間がいい。でもこれをそうは感じない人もいるわけで、難しいけどそれが個性だと思う。この人も困惑顔が上手い。高座を明るく華やかにする理想的な開口一番だ。

続いて佐ん吉さん、今日はNHK優勝の話に触れず。言ってもいいと思うけど。金本監督の話になるけど、女性が多いせいかもうひとつ客席の反応が鈍い。でも続ける。なんか反応が鈍いことも取り込んでネタにするようなうまいやり方だな。噺は「おごろもち盗人」、何度か聴いてるけど佐ん吉さんの中ではかなり得意ネタだと思う。盗っ人の哀れさがよく出ている。ここで爆音、ついにF1フェラーリが火を噴いた。佐ん吉さんまったくあわてず噺に取り込んで爆笑。この処理の仕方あらかじめ考えていたのかな。多分とっさだろうな。

たまさん、一席目のまくらは佐ん吉さんいじりから。いつもの夫婦の話。爆笑!続いて次は楽珍さん夫婦、これももちろん爆笑。内容はなんかプライベートなことで書きにくい。しかし、独身のたまさんが好き放題言うてるように聴こえる。そこから噺は「ぐつぐつ」、東京の小ゑんさんの新作で鍋の中のおでんたちの噺。たまさんで三度目だけどいかにも東京の新作っぽいネタで_(円丈さん的に聴こえる)あまり好きじゃなかったけど、今日は楽しかった。何が違うかというと距離が近い。2列目で観ていると、所作と噺の内容がきっちりシンクロして聴こえた。

続いて「紙屑屋」、たまさんの古典が好きだ、といつも言ってるけど、それはバッサバッサといらんとこ切ってコンパクトになってるので笑いの密度が上がるからだと思う。大半のネタはそれで成功してるけど、やっぱり「百年目」とかの大ネタになると物足りない感が残る。この「紙屑屋」もそういうところがあって、次々唄が出てきて楽しいしリズムもいいんだけど、もうちょと地語りが欲しいなと思ってしまう。しかし、高座落ちの迫力にはびっくりした。

中入り後は梅団治さん、ご存知鉄っちゃんだ。前日も朝5時半起きで淀川堤防まで撮りにいったと。そこから師匠春団治さんに怒られた思い出、そしてご自分の娘さんの話。で、噺は「鬼の面」。これも大阪⇔池田が舞台なんだけど、猪買い、牛ほめと比べるとやり手も少ないしマイナー感が強い。どうしてなんだろうか。子供を怖がらせるからかな。でも僕は好きだけど。奉公にでている娘と両親との情愛も描かれるし、ストーリーも二転三転。盗賊たちのサイドストーリーもあるし、こうしてみるとなにやら文楽みたいな噺だな。梅団治さんは長男の小梅さんがお弟子さんになるんだけど、情を語るのが様になる人だ。たまさんとは全然違う。

最後たまさん、ショート落語は「大英博物館」で爆笑。ベスト版だけに他にも面白いの結構あった。そこから新作は「怒り心頭」、数か月前の月刊でのネタおろしだな。比較的早く出てきたてことは結構自信ありなのか。
面白いけど、貧乏、貧乏でちょっとしつこいなと思わせて、それでも更に押して強行突破で爆笑に叩き込むという、福笑~たま師弟の常套手段だ。最近手の打ちが分かったりするんだけど、それでも面白いからまた聴く。いつか落語全体にに飽きることはあるかもしれないけど、好きな噺家さんに飽きるというのは想像しにくい。

今回は月刊たまのわずか2日後、それもあって少し客席が少なかったのかな。だいたい同じ噺家さんが同じように三席する会が一日おきにあって普通の人は両方こない。両方来るのは普通でない人だとマニアな人達と語りあっていた開演前。この日曜日も楽しく過ぎていった。