2015.9.22 【上方落語短期集中高座 9/22・第2部@天三・R’sギャラリー】

上方落語短期集中高座 9/22・第2部】

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文我さん主催で5連休の間、各日3回計15公演121席の集中高座の落語会。これを11人の噺家さんで回していく。僕は4日目にして初めての参加だ。初日客入りが少ないと聴いていたけど、盛り上がってきたのかそこそこの入りになっていた。噂に聴いていた通り、楽屋が狭い、というより着替えるスペースぐらいしかないのか、会場前や受付周りにいつも何人も出演者の人達がいて、あたりのざわざわ感がなんかいい。

呂好 / 池田の牛ほめ
たま / 船徳
まん我 / 野ざらし
宗助 / くっしゃみ講釈
中入
文三 / 嬶違い
文我 / 関津富
生喬 / おごろもち盗人
歌之助 / 胴乱の幸助

呂好さん、今回初めての方のために「この落語会はスペースの関係で下座を入れられないので、お囃子出囃子一切なしです。その替わり、下りる人と上がる人が脇でミニトークをします。」それもなかなか面白そうだ。
まくらは珍しく兄弟子呂竹さんの話、師匠がいい加減外に稽古に行けというのを拒み続ける頑固なところがあると。呂竹さんの性格が感じられる落ちもあった。「牛ほめ」は2円3円が500円1000円に。僕は正直変えない方が抵抗なく聴ける。

たまさん、すれ違いトークで元政治家秘書の呂好さんに握手の仕方を聴く。さすがにすごい。本物の握手だ。
高座に上がって、2日前自分の会の出番だったぽんぽ娘さんからのお礼メールのやり取りで爆笑。僕も含めて当日その会に行ってた人には一層楽しかっただろう。でもたまさんのファンはぽんぽ娘さんが言うほどマニアな落語ファンじゃないと僕は思うけどね。
船徳」 はたまさんで何度も聴いてる。江戸落語のこの噺は、爽やかで涼しげで代表的な夏噺だけど、たまさんのはそんな空気がまったく感じられない。でもそれも一興だ。若旦那のアホっぽさがいい。

続いて、まん我さん「野ざらし」。この人の口跡のラフさが、この噺にあってるのか。

中トリは宗助さん、「くっしゃみ講釈」。考えればこの人の落語をこの距離で観るの初めてかもしれない。すごくいい距離感だった。表情の変化がとても細かくてそれにも引き付けられる。噺はもちろん文句なしだ。

中入り後は文三さんから。チラシには「場違い」となっていたけど、やっぱり「嬶違い」の間違いだった。それなら知ってる。すれ違いトークで文我さんも言ってたけど、こういうちょっとエロいネタはこの人にあう。それにしてもめったに聴けない噺だ。文三さんに限らずどんどん掛けてほしいなと思う。珍しいネタは面白くないから、て、よく言うけど、「面白いよ」と感じるネタも随分ある。これもそう。出てくる人みんなの困惑に反して、落ち着くように落ち着くのが楽天的で落語らしい。

続いて、企画・主催の文我さん登場。「関津富」は、「せきのしんぶ」と読むらしい。俳諧師の人名でだそうだ。全く聴いたことなかったけど、さらっと短く終わって、この噺この前も後もあるんです、と。いつかきちんと聴きたい。

もたれは今日は生喬さん。一昨日圧巻の「崇徳院」を聴いたばかりだけど、今日のおごろもちもパワー系でぐいぐい引っ張る。だけど、そのパワーが流れずにしつこく留まり続けるのがいい。最近生喬さん何か物足りなく感じること多かったけど、この二席で爆発だ。後、噺下げた後、珍しくちょっと解説。盗人が手をくくられた後、完全に顔が上手側向いてしまう人多くて、基本下手側に席をとる僕からは表情が全く見えないのが常々不満だった。生喬さんはそれを防ぐために顔は不自然でない程度に正面向けてると。こういう話聴けるのもうれしい。

トリは歌之助さん、今日の8人の中では聴いてる頻度が一番少ない。「胴乱の幸助」、割木屋のおやっさんのキャラが他の人とは違う。なんかかわいい。こういう表現もありなんだな。違和感よりも新鮮だった。

都合8席、たっぷり三時間。明日はおそらく行かないから15回中の1回だけになるけど、どの席がいいかがなかなか難しい。それとやっぱりまだ怪我の影響もあるので、この会はすこしハードだ。体調が万全ならきっともっと楽しめる。一日おこもりの知り合いも結構いる。文我さんにはぜひまた企画していただきたい。
それと、大阪の落語会は、小さな会でも三味線鳴り物が基本なので、何もなしが却って新鮮に感じた。
この5連休、大阪で定席以外で5日連続落語会が僕が知ってるだけで3つ開催されてる。8月高津じゃないけど、集中開催落語会は楽しいし、演者の方々とも客席でも何か連帯感が出てくる。
そんな企画今後もどんどん取り組んでほしいな。