2015.9.20 【笑福亭たま日曜独演会@御堂会館南5Fホール】

【笑福亭たま日曜独演会】

今日は写真撮るの忘れてた。この会場になって3度目の日曜独演会。今回も個性的な出演者で期待が膨らむ。後ろを振り返ると、200人キャパの会場がちょうど一杯になって少し窮屈な感じがいい熱気を出して開演だ。

米輝 / 阿弥陀池
ぽんぽ娘 / 赤ちゃん談義
たま / あくびの稽古
たま / 猫の忠信
中入
生喬 / 崇徳院
たま / ショート落語ダイジェスト~客いじり殺人事件

米輝さん、先週の岡町に続いて日曜日二週連続の開口一番。阿弥陀池を今日も軽快に。しんみどう、が出たり、象の鳴き声ロングバージョンとか、いろいろ入って楽しい。前座とはいえ、もっといろいろなネタを聴きたくなる人だ。それにキャラもたってる。

続いてぽんぽ娘さん、まくらでメイド漫談のこととかいろいろ連発して客席をつかむ。定番の「言葉が似ていて違うもの」も共演者三人を出して受けまくる。以前と比べて確実に面白くなってる。それほど下ネタにも頼ってないし。噺は最近いつもの「赤ちゃん談義」 赤ちゃん同士がミルクのブランドとかについて会話するネタで爆笑編だ。もっともっと展開できそうな強力ネタじゃないかな。

たまさん、冒頭からぽんぽ娘さんをいらいまくる。入ってきた当初は会話が成立しなかったと。自分の会にぽんぽ娘さんのような人を呼んでうまくつかえるのもこの人の技量のひとつか。「あくびの稽古」は好きなネタだけど、毎度いろいろ出てくる。あくび以前の稽古をきっちり見せるのがたまさん流。軽業はいつもうまくやるな。楽しい噺だ。

袴に着替えて再登場。で、「猫の忠信」本編は大スペクタクル巨編だと。僕もそう思ってる。他には「どうらんの幸助」とか「桜の宮」とか、スペクタクル系の噺は結構好きだ。こういう噺はやっぱりがあーっと盛り上がってそれでどうなるのかみたいなアップダウンがいい。もちろん筋は知ってるけど、たまさんこういう表現得意やと思う。で、大層な噺の割りに下げがバカバカしいと。下げはスコンとひっくり返すのが落語らしくていい。

中入後はゲストの生喬さん。大体噺家が自分の会に他の人を呼ぶときは先輩であれ後輩であれ何らかの意図があると。で、今日の顔ぶれに自分が入るのが今一納得できない。いろいろと文句を言われてたけど、当然ネタだろう。僕ら聴き手としては、自分の好きな人の会に行ってるわけだから、先輩後輩どちらにしても主催噺家との縁というかつながり方というか、そういうのを聴くのも楽しみのひとつなので、今日の生喬さんはよく分かってはると思う。中には全く触れない人いるけど、それはちょっと違うのでは。
ネタは「崇徳院」生喬さんでは久しぶりだけど、パワー系崇徳院で熊はん大活躍だ。いやよかった。この人の聴き手の頭を揺さぶるような落語はとても快感だ。下げはそう来るかと。僕には何かタカラヅカ的に聞こえた。

たまさん、ショート落語はダイジェスト版だけあってレベルが高い。雨乞い、認知症TUTAYA等、ほとんど爆笑だ。
続いて「客いじり殺人事件」。聴くのは四度目で、これまでは八聖亭、繁昌亭、千日亭となっている。1フロアのスペースなら今回が一番広い。さて大丈夫かなと思っていたけど、結構受けてた。でも本当はこのネタ後ろの方でも楽しいかどうか微妙だと思う。容疑者は、生寿、三度、南天で、犯人は三度だった。個人的には謎かけのお題できっちりいじられた。「骨折」です。

今回もいつも通り盛りだくさんで楽しかった。この会は月刊の増刊号みたいなものとたまさん言ってるように、エッセンスがより抜かれてる分だけ月刊より安定感がある。
そして、この会場は次回 11/29 までで来年から阿倍野区民センターに移るらしい。キャパは300人、こういうように着実にステップアップしていこうとする姿勢もすごくいいと思う。