2015.9.13 【岡町落語ランド@おかまちあーとらんど YOU2】

【岡町落語ランド】

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しばらくのご無沙汰でした。今月二回目の落語会です。元々大阪クラシック優先の予定を組んでいたのに、怪我の影響もあってそちらにもあまり行かずに、なんとなく遠出する気にもならない近頃だけど、落語会はそろそろいつものペースに戻したいなと思う。
てことで「岡町落語ランド」。今回はしん吉さんプロデュースで、いつもの伝統芸能館ではなく商店街中ほどのレンタルスペースでの開催。冒頭でいきなり三人が登場しトークに入った。

トーク / しん吉・佐ん吉・吉の丞
米輝 / 子ほめ
吉の丞 / 替り目
中入
しん吉 / マル子
佐ん吉 / 狐芝居

高座の真後ろからしん吉さんの登場も意表をついていたけど、佐ん吉さん、吉の丞さんも続いてあがり、今日でなんと第371回目というこの会の歴史を説明。四十数年前からやってる計算になる。三人とも生まれる前だ。ネタ帳が最近のしか残ってないてのが残念だな。とりあえずずっと米朝一門の誰かの仕切りで続いてきた会。今がこの三人の交互プロデュースになってる。 後、連絡事項をいくつか。次回しん吉さん「かぜうどん」でネタ出しも、つくからということで変更。「ふぐ鍋」と「天災」で挙手し、同じぐらいも「天災」に決定。

米輝さん、「ちょっと連絡があるから」と三人で上がって長い、長い。前座が上がる前にすっかり客席は暖まってると。そっから「子ほめ」。この人最近開口一番での遭遇率がすごく高いんだけど、まず噺家として風貌がいい。落語は前座噺をきちんとする。というか、今日の「子ほめ」でも端正という言葉すら感じさせる。年季5年目の
30才、将来楽しみだ。

吉の丞さん、プログラムではトリだったけど、なんか嫌です。で、中トリに。まくらで、南天紅雀・米紫・吉の丞で学校寄席に行った話、「とんでもなく気楽なメンバーでしょう。」確かに。米紫さんの南京玉すだれ南天さんの動物園で受けまくって、紅雀さんは競馬の話ばかりしてたと。その日聴いてた中学生からプロの噺家が生れるかもしれない。まくらは更に続き、佐ん吉さんがアル中認定を受けた話に。5日の動楽亭昼席で紅雀さんが言ってたのは佐ん吉さんのことだったんだ。
ネタは「替り目」。おなじみの酔っ払い小噺からダイレクトに噺に入ったのが新鮮やった。吉の丞さんの酔っ払いは身体全体から酒好きがにじみ出ているのがいい。半ばまで。今日の流れならここで切るのがよかったと思う。

中入り後はしん吉さん「マル子」。子供のころ大きくなったら阪急電車になりたかったという、しん吉さん、マル子とは阪急電車を女性に擬人化して、若い運転手と恋に落ちる設定。阪急の色マルーンからマル子。で、運転手が能勢電に転勤になって、そっちにはベテランのおばさんの電車がいて、という噺。阪急宝塚線の駅名を順番にアナウンスしながら落としていくのは、「地下鉄」によく似ていて、宝塚沿線住民としては楽しかった。

最後は佐ん吉さん、いきなり「アル中の話をします」。飲んでる途中に記憶がとぎれたり、酔っぱらって電車乗り過ごしたりが続いて、奥さんにアル中外来みたいなとこへ連れていかれた。で、症状説明すると「アルコール依存症」ですねと認定されて、今基本禁酒中らしい。佐ん吉さんも言ってたけど、そんなん言うたらみんなアル中になると不満そうだ。でも、飲酒は悪が前提だから、そういうところへは行ったら負けだと思う。
ネタは「狐芝居」。小佐田さん作のよくできた噺、前半は滑稽噺、後半は一転して芝居噺。今日も端正にまとめる。兄弟子の吉坊もしてるらしいけど、もっともっと聴きたい噺だ。そして僕はこの下げも好きだ。

開演前、2Fに並んでる時にこの建物も老朽化してるなと思ってたけど、落語会始まるとなかなかいい感じで、いつもの伝統芸能館は結構スペース広いので、それとはまた違う高座と客席の一体感みたいなのがあって、いい会になったと思う。演者のみなさんからは、これからも年に一度ぐらいここでやろうかという話も出ていた。