2015.8.31 【月刊笑福亭たま・8月号@繁昌亭】

 【月刊笑福亭たま・8月号】

イメージ 1

2週間ぶりの繁昌亭、というかこの2週間の間落語会には高津に6回行っただけ。よくよく偏った8月の締めはまたも、たまさんだ。繁昌亭夜席の開演前が少しずつ暗くなってきて秋の気配がただよう。夏好きなので淋しいんだけど、こういう光景をみると秋は秋で悪くないと思う。では開演です。

紫 / 大安売り
喬介 / まんじゅう怖い
たま / 胎児
たま / 夢八
中入
塩鯛 / くっしゃみ侯爵
たま / 新作ショート落語~新作ネタおろし「怒り心頭」

紫さん、一門が都部屋と呼ばれてると。6番弟子までいるらしいけど、僕でも5人までしか知らない。でも都さんがこうやって次々お弟子さんをとるのは素晴らしいことだと思う。いつになったら弟子とるねん、と僕らが思ってる噺家さん結構いるんだから。
噺は相撲ネタの大安売り、紫さんで何度か聴いてるけど聴くたびにニンに合ってるように思えてくる。いや失礼なんだけど、この人基本的にきれいだと思うし、そういう人が間抜けな相撲取りを語る面白さがツボだ。それと前も言ったけど少しだけずらすこの人特有の間もいい。

続いて喬介さん、関学の授業の一環で時うどんやって百数十人が書いてくれたアンケートから傑作選を。相当な上から目線で喬介さんの落語を評価した18~19才に対して 「評論家か!」 でも喬介さんがそんなからまれかたされる、これもまたニンがあるからで、それは決して噺家として悪いことじゃないと思う。と、また上から目線かな。
ネタは「まんじゅう怖い」 喬介さんでは初めてだけど、これも僕の好きな登場人物の多いわちゃわちゃ噺。
喬介さんらしくて楽しかったけど、みっつあんが少し地味すぎる気がした。

たまさんは、喬介さんの話を受けて10才の女の子からファンレターもらった話を。「お母さんとおばあさんにはメールが来るけど、私には来ないのでメールください。私が二人を連れていくので私にメールください。私ならまだ80年たまさんの落語を聴けます。」 たまさんいくつまで落語せなあかんねん。それから花丸さんや今日のゲストの塩鯛さんをいらって、一席目は「胎児」。
まだお母さんのお腹の中にいる子供の噺。今日で聴くの3回目だけど傑作だな。お腹の中を映像で観た時、子供が見られてることを意識してへその緒をつかっていろいろする。あげくに落語までする。それを微笑ましく見るお父さん。そして、彼は実は双子で逆子だった。で、自分で逆子を直そうとする。この場面をたまさん、しばらく逆立ちして演じる。なかなか体力もいる。

二席目の前に「胎児」に触れて、10年ぐらい前につくったネタだけど、場面転換も多くて逆立ちもあるし、今はまだできるけどいつまでもできるねたじゃないと。僕はたまさんより大分年上やけど、聴き手としては場面転換の多い噺はまだまだ大好きだ。で、「夢八」。笑福亭の型がベースらしい。あっさりしておとなし目の夢八だけど、これも悪くない。ストーリーが分かり易い。

中入り後は、塩鯛さん。落語、能、狂言、講釈といろいろ芸談をして、そっから落語と講釈の違いの話になって「くっしゃみ講釈」。最近以前ほど聴く機会がないのだけど、この人の落語は余裕からくる安心感や気持よさを客席に感じさせるのがいいな。米朝一門の落語の本流の一人だ。

たまさん、新作ショート落語は「やらしい絵本」シリーズがいまいち不発だった。それに言うほどやらしくなかった。新作ネタおろしは「怒り心頭」。貧乏のフレーズが耳に残る。たまさんの新作ではとりあえず一次予選通過と言ったことろだろうか。「天災」のイメージがどうしても強くなってるけど、これを活かすのか、おさえるのか。先が楽しみだ。

今日も2時間50分ぐらいか。6席で長くなること多いけど、終わってから気づくのがこの会の特徴。やってる時は時間忘れてる。てことで、怒涛の8月落語が終わった。ほぼたまさんと南天さんの8月だった。