2015.8.29 【高津落語研究会プレミアム・12日目@高津神社・末広の間】


【高津落語研究会プレミアム・12日目】

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アクシデントがあったりして5日ぶりの落語会はまたも高津だ。もう10日以上他の会に行ってない。まあ、今月はこれでいい。開場時に並んでた人案外少なかったけど、結局60人ぐらい入ったのか。全部椅子席になったので、一部の人以外はそんなに早くは来ないようだ.。てことで、ラス前の開演です。

ひろば / 看板の一
南天 / 七段目
雀五郎 / 桜の宮
大喜利 / (司会)たま、ひろば・南天・雀五郎

たまさん、今日昼京都の文我さんの会で出番があって、本来余裕のはずが文我さんがトリネタと最後のトークで引っ張りまくったので遅れそうになり大阪駅からタクシーで来たと。こういう直前の出来事をまくらで面白おかしく語れるのは噺家さんには絶対必要だな。やっぱり今あった話ってのは臨場感が違うから。
ネタは「バーテンダー」、3日前に東京でやって、大阪ではまだこの形ではしてないので、と。この噺元々今年の始めぐらいに「住吉バー」でネタおろしして、それから「バーテンダー」でも1回聴いてる。印象としては段々落語らしくなってる。最初はバーテンと田中さんの会話部分がもっと多くて、かなり前衛的な噺に感じた。僕はそのぶっとび感も結構好きだったけど。今日のバージョンは店内の他のテーブルとか部下のバーテンの出番とかも増えていいまとまりの新作になってた。相当面白かったと思う。下げについては、東京の時とまた変わってたらしい(東京も行った人の話)。で、今日の下げは母親。どうもピンとこない。本編の完成度が高くなってるだけ、下げが弱い印象がある。

ひろばさんも昼は動楽亭吉の丞さんの会で出番。こちらも吉の丞さんがトリネタを途中で「遊山船」に変えて、また専用のまくらから初めて、他の人は帰ってしまったのでひろばさんしか鳴り物する人がいなくなった。で遅れそうになったと。みなさん忙しくて結構なことだ。その後、「高座で自分で言うのは初めてなんですけど 、実は5月に結婚しました。だからってどうということはないんですけど、ただただ幸せなんです。」 勝手にしろ。
更にもひとつ、昨日正式発表のあった、りょうばさんのことに触れ 「弟弟子と言っても年上ですし、もっと仲良くなってからいろんな話をしたいです。」と。改めてざこば一門が注目されそうだ。
噺は 「看板の一」 ひろばさんのこの噺は何度か聴いてるけど、おやっさんの貫録とねめつける表情がとてもいい。この感じが出ないとこの噺は薄っぺらで終わってしまう。

続いて南天さん、自分のいくつかの出囃子の話から、歌舞伎の大向うの話になってそこから 「七段目」。芝居噺は所作と口跡の切味勝負みたいなところがあって、もちろんそういうのもすごく気持ちがよくていいんだけど、南天さんの芝居噺は少し違う。元々芝居噺があまり合わない感じがしていたんだけど、今日の噺を聴いてると、気合や勢いや切味ももちろんあるんだけど、全体的な印象が円い。スムースに流れる。シームレスだ。考えれば芝居じゃなくて芝居噺なんだから当然こういうのもいい。忠臣蔵なんだけど世話物みたいだ。今まで散々言ってきたけど、今回の高津で、南天さんの落語の力を改めて思い知った。

最後は雀五郎さん、早々に今日は春の噺をします。で、「桜の宮」 おお今頃聴けるとは。基本的に群像劇というか登場人物が多くて、わちゃわちゃする噺が好きだ。しかも舞台がすべて春の花見のアウトドアだ。そこをみんなが走り回る。アクティブといえばこれにまさる噺はそうそうないのでは。今日は最近の「表情でみせる雀五郎さん」 ではなくて、リズミカルにスピーディーに言葉の密度で聴かせる雀五郎さんだった。

大喜利、なぞかけは時事ネタの「分裂」と29日で「肉」。なかなかお見事なのがばんばん出ていた。次のお遊びは「あたかも読書」  前回のたまさん司会の時もやったけどお題のもらい方を間違えたからとなって、結局は「仁鶴の大冒険」に決定。これは面白かった。ベテラン若手交えて一体何人の上方噺家が登場したか。仁鶴さん途中でアラブにまで行ってしまったけど、最後は帰ってきてやっぱりなの人が登場してハラハラしたけど、無事大団円を向かえた。今日驚いたのは南天さんのストーリーテラーぶり。全物語の70%ぐらいを一人でつくってた。

今日も相変わらず楽しかった。いよいよ明日は楽日。80人いくのかどうか。今日でも初めての人結構いたと思うし、明日もかなり来るとおもううんだけどな。果たして南天さんの大トリで、らくだはでるのか。