2015.8.23 【高津落語研究会プレミアム・10日目@高津神社・末広の間】

 【高津落語研究会プレミアム・10日目】

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3日間休んでいよいよ終盤戦に突入。そう言えば8/2にスタートしたころは猛烈な暑さの中だったのに、今はもう秋の気配がそこかしこに。高津落語研究会とともに季節がうつろう。まあ、そんな感傷とは関係なく今日も充実の会だった。

南天 / つる
雀五郎 / くやみ
たま / 危険な情事
ひろば / 狸の化寺
大喜利 / (司会)南天、雀五郎・たま・ひろば

今年の高津でよかったことの一つが、南天さんの前座噺をきっちり聴けたことだ。まくらで枝雀さんの思い出を語る。若い頃よく枝雀さんの会に前座で出してもらってほとんど「動物園」指定だったと。一度自分から「牛ほめ」どうですかと聞いたら「いいんじゃない」という返事で、ウキウキしてたら石段が始まってから「やっぱり動物園で」 と言われた。枝雀さんは、こうと決めたら何事もそれ一本の人だったと。そんなまくらで今日は何かな。見台出てるから「動物園」じゃないし。と思ってたら「つる」だった。聴くの初めてだけど、これもまた非常にきっちりしていて、勢いがあって見本のような素晴らしい出来だった。船場のつるは上品、で爆笑。

続いて雀五郎さん、今日繁昌亭昼席の出番で一緒だった染吉さんが高津に手伝いに来てくれると。しかしその方向音痴は半端じゃないらしい。この会ではよく手伝いに来てくれた若手の人をまくらでいじってるけど、これも先輩の気遣いなんだろう。ネタは「くやみ」。今日もよかった。最近雀五郎さんの表情のことをよく話題にしてるけど、今日は笑顔だな。考えればこれも少し変わったネタで、最初はストーリーものぽいけど、すぐにくやみ客のキャラ噺に変わってしまって、のろけのおっさんが俄然主役になる。落語らしくて好きな噺だ。

次はたまさん、花丸さんの頭の話から同じ言葉でも全然違うとらえ方になって、言葉は難しいと。こういうことを日々考えてるからいい新作がつくれるのかな。しかし、たまさんのまくらは面白いな。南天さんがまくらも作品て言うのとはまた違う作り方のように感じる。噺は、今日 twitter でネタ出ししてた「危険な情事」。どんな噺やったか聴いたことない気がするなと思ってたら部分的には聴き覚えがあった。一度の浮気相手にストーカーされて脅されてタクシーで名古屋に行くはめになってという話だけど、むちゃくちゃ面白かった。ジェットコースター落語というか、とにかく急展開の連続でことごとく聴き手の予想しないような方向に噺が進んでいく。ナイフがコハダという発想が好きだ。今日の新作は相当完成度が高い。後、たまさんの新作には田中君とオサム君が頻繁に出てくるけど知り合いか何かなのかな。

最後はひろばさん、雀五郎さんの話を受けて、方向音痴の染吉さんが藤井寺の落語会の出番に遅れそうになり、その辺にいたおばちゃんの自転車を借りて間に合った話を。今日は染吉さんの印象が大分変わった。
ネタは「狸の化寺」。ほとんどひろばさんとざこばさんでしか聴いたことないけど、これも独特の雰囲気があってもっと聴きたいネタだ。冒頭にでてくる”くろくわ”という言葉でなにかちょっとやたけたな空気感が出てきて、化け狸が暴れまわる。阿弥陀になったり、天女になったりという光景が楽しい。ひろばさんは今日もきっちりと安定感抜群の口演だった。

大喜利は、なぞかけが「ウサイン・ボルト」と「けん玉6級」。雀五郎さんの昔のプロフィールにけん玉6級と書いてあったらしい。それを知っててお題にあげた雀五郎ファンの人もまたすごい。
もう一つのお遊びは「インタビュー」結構いいのがポンポン出てた。それと、明日大喜利司会のひろばさんが、みんなが大すべりするような遊びをすると宣言。

今日も楽しかった。いつも楽しい高津落語研究会。今日これまでのネタ見ていて気がついたけど、今年は10日目までひとつもネタががぶっていない。みなさん気がついてるのかな。もうかぶらないままいくのかな。それと典型的な夏噺があまり出ていない。「遊山船」はまだかと思っているうちに、季節が少しはずれだしてきた。
さあ、あと3日間。何が聴けるのか。南天さんの「らくだ」はでるのかな。