2015.8.14 【神社でちょっと佐ん吉の落語を聴く会@梅田・網敷天神社】

【神社でちょっと佐ん吉の落語を聴く会】

前から一度行きたかった会にようやく行けた。阪急梅田駅のすぐ東という、沿線住民には圧倒的に行きやすいロケーションと、佐ん吉さんが一人で三席をするのを、一席、二席、通しと選べる、つまり一席ごとに入れ替わる客もいるというシステムにも興味があった。そして、一席目、二席目は30分という時間が決まっていて長い噺も短い噺もしにくいという制約の中で佐ん吉さんが何をかけるのか。いろいろと楽しみだった。

佐ん吉 / 桃太郎
佐ん吉 / 蛇含草
佐ん吉 / 火事場盗人

まず上がった佐ん吉さん、これまで最高の入りということでうれしそう。後で聞けば59人とか。決して広くない部屋が満員でなかなかの熱気だ。
一席目は「桃太郎」 前座噺と言えばそうなんだろうけど、若手に限らす演者の多い噺だ。佐ん吉さんのは「健坊、学校で嫌われてるやろ」という父親のせりふがツボやった。落語には、小生意気な子供が大人をやり込める噺よくあって、どちらか言うと好きなんだけど、それぞれの噺で想像する子供の年が微妙に違う。桃太郎は8~9才ぐらいか。違和感なかった。

二席目は、まず夕立の小咄をいくつか。粋だな。こういうので佐ん吉さんの落語の端正さが増強されるのだろう。
そっからネタは「蛇含草」。このブログでもよく言ってるように夏噺マニアの僕としては、また好きな噺だ。今日は餅を食べる表情の変化、特に食いすぎ顔が よかった。

三席目に入って「盗人噺だな。でも何だろ。あまり聴かない噺」と思ってたけど、京都の盗人がたまたまいた現場で火事が起こり、手違いで子供の入ったつづらを持って帰ってきてしまう。もちろん返しにいこうとするのだけどうまくいかず、そのうち情が移って堺に引っ越して夫婦で育てる。で、18になって嫁ぐ前日京都で本当の父親と巡りあう。といういい噺だ。佐ん吉さん本領発揮でかなり心をつかまれた。
ただ、噺は少し展開が急過ぎないかと思える部分が何ヵ所かあった。

ということで楽しい会だった。ちなみに制作は「さかいひろこworks」だ。