2015.8.16 【林家花丸三賞受賞記念の会@繁昌亭】

【林家花丸三賞受賞記念の会】

繁昌亭大賞と後二つ名前の長い賞を立て続けにとった花丸さんの記念の会。普段あまり自分の会をしない花丸さんなので、三席は貴重な機会だ。6時開演を6時半と勘違いしていて、5分前に飛び込んだら昨日高津で一緒だった人たちもかなりこちら流れてきていて、向こうの様子も少し気になりながらの開演です。

喬介 / 寄合酒
花丸 / 時うどん
鯛蔵 / 打飼盗人
花丸 / 蔵丁稚
中入
花丸 / 千両みかん

喬介さんの「寄合酒」は度々聴いてる定番ネタだけど、登場人物のおかしさがすっかり落語に寄り添うようになってきてる。もうこのネタ自由自在だろうけど、やっぱり犬の件が一番楽しい。

花丸さん、「ただただみなさんに感謝です。賞をとったからと言って僕の落語がなんら変わるわけじゃないので、これからもみんなの花ちゃんでいたい。」と素敵なあいさつから一席目は「時うどん」
最近、高津通いもあってベテランの前座噺を聴く機会が多くて、それがことごとくいい。今日も内容的には定番時うどんだったけど、押し出しがすごく強く感じられて、噺に心をつかまえられた。

続いて鯛蔵さん、この人の上がってくる時と下がる時のスキップするような軽快さいいな。なんか楽しそうで。ネタは「打飼盗人」。この人のすっとぼけた味わいが堪能できるネタだ。数ある落語のアホな泥棒の中でも一二を争うボケっぷりがいい。

花丸さん、二席目は「蔵丁稚」。この噺は芝居部分のクールさを楽しむネタだと思っているんだけど、なかなかいい目をしてはった。結構しびれた。

最後は「千両みかん」。僕の今年の夏の落語ではこの噺の当たり年で、立て続けにいい千両みかんを聴いたのだけど花丸さんが見事に締めてくれた。やっぱり番頭同士の対峙が一番盛り上がるシーンだけど、ここで買いにきた方の番頭に出来の悪かった丁稚のころを語らせ、自分を育ててくれた大旦那への恩返しのためみかんが欲しいと訴えさせた。みかん問屋の番頭も自分も同じような境遇だったと意気に感じて、もう一度自分でまともなみかんを探す。という演出でここに時間もたっぷりとる。この演出だと次の、みかんがただから千両に変わる場面が一層活きてくる。いや本当にいい「千両みかん」だった。

以上三席たっぷりいい落語会だった。残念だったのは千両みかんのピークの場面で携帯がなったこと。やっぱり、中入り後に再度注意必要だ。東京の寄席みたいに、楽屋にいる誰かが客席の前ですればいいのではと思う。
それとこれだけ素晴らしい落語会の6日前のラクゴリラは何だったのか。芸事の怖さをひしひしと感じた。