2015.8.15 【高津落語研究会プレミアム・5日目@高津神社・末広の間】

【高津落語研究会プレミアム・5日目】

7日間あいて、今日から第2ピリオドスタート。盆休みてこともあるのか65人ぐらいの今月最高の入りでスタート。半分以上の人がプレミアムは初めてだったらしい。出番は一巡して再び南天さんから。

南天 / 普請ほめ
雀五郎 / 稲荷俥
たま / 矢橋船
ひろば / へっつい幽霊
大喜利 / (司会)南天、雀五郎・たま・ひろば

南天さん、9月7~9日の「モーレツ落語会」の動員を心配。でも高津の客は高津に集中している人多いので今言ってもあまり効果ない気がする。続いて今月29日の南天の会でネタ出しの「あくびの稽古」のことをさらっと。これは楽しみだ。土曜の夜だけど多分行くと思う。
ネタは「普請ほめ」 久しぶりだけど、全編南天調の粘り込むしゃべりでファンにはたまらない一席だ。こういう噺を聴くと南天さんの口跡自体も、聴き手にはかなり習慣性があるのがわかる。できれば一度牛まで聴きたいな。

続いて雀五郎さん、本当かどうか「今日普請ほめをするつもりだったのに」と。初日早々「青菜」をかけたことの返しなのかと。この会は誰かがしたネタを他の人が別の日にするのはOKになっているけど、さすがに翌日翌々日とかはかけにくいので、ネタをめぐる駆け引きがいろいろあるらしい。そう言えば上方夏噺の定番「遊山船」をまだ誰もしてない。牽制しあってるのかな。去年唯一三人がかけた噺で、しなかったたまさんも持ってるネタだ。
ということで今日は「稲荷俥」。僕はこの噺の微妙な不気味さが好きなんだけど、また舞台がこの高津から産湯までの車夫と客の噺で、実際の舞台でその噺を聴くというのはやっぱりえらく臨場感があって何か噺の「気」みたいなのが伝わってくる。で、それを伝えた雀五郎さん、今日もよかった。

次はたまさん、繁昌亭に復活した売店の話。落語の演目にちなんだ小物みたいなのか。話聴くと面白そうだけど、なかなか形を想像しにくい。夜席では売店営業してないので今度商店街の天満天神MAIDO屋に行ってこよう。
ネタは「矢橋船」。東の旅の一編で琵琶湖の渡し船の中の軽い騒動噺。たまさんでしか聴いたことない。文我さん主催の「東の旅通し公演」では必ずたまさんで登場する。前半の色変わり問答の件は楽しく終始するけど、後半酒をしびんで燗するあたりからまたもや下ネタに噺が展開する。たまさんそれを相当強調するから、その部分の印象が強く残る。でも「ちしゃ医者」ほどの害はない。それにしてもたまさん、初日に8月の高津ではできるだけ新作をかけたいと言ってたのに、まだ5回中1回だけだ。これから増えていくのかな。

最後はひろばさん、必ずたまさんの後になる出番をひとくさり嘆く。「せっかくちしゃ医者を忘れかけてるのに、笑福亭はしゃあない」と。でもたまさんは師匠の福笑さん共々、典型的な笑福亭では全然ないと思うのだけど。
そっから「へっつい幽霊」結構長くて場面転換も多い。簡単なネタじゃないと思うけど、ひろばさん今日も落ち着きが全面に出る佇まいできっちり進行する。若旦那が新町の寝物語を回想する場面では結構照れてたけど平然と思い切りするのがいいのでは。でも全体的には満足感が十分にあるトリで、随分堅実な落語だった。今日の四席ではベストだと思う。

大喜利はなぞかけ二題、「流れ星」と「ラジオ体操」今日は回答より、たまさんが出身高校でやってたなんとか体操の話が興味深かった。ラジオ体操はラジオ放送が始まってからなので、ラジオ以前からあったその原型になる体操を大阪の公立高校の一部ではいまでもやってると。いくつか手ぶりで紹介してたけど、変わってて面白かった。なんて名前やったか。
もう一つのお遊びは川柳をつくる、てのやったけど、出題者の南天さんの意図が今一つ伝わり切れてなかったのでは。

今日特に感じたことは、この会の中で四人の個性がすごく浮きだつようになってきて、正に四者四様でまったくだれたり、中だるみがない。このペースで開催していてる中ではかなりすごいことだと思う。
盆休みも終わりかけで、何か夏も終盤にきてるように思えるけど、高津はまだ5/13。まだまだこれからだ。去年もこっから盛り上がった。今年も期待したいな。