2015.7.20 【いきなり九雀の日@岡町・伝統芸能館】

【いきなり九雀の日】

5日前に来たばかりだけど、今日も開催。元々この日程が決まっていて先日のが飛び入り開催やったらしい。で、いつもは18:47という中途半端な開演時間なんだけど、今日は17:30からだ。プログラムをみるとなんと7席。九雀さんの落語教室の子供たち二人を含めてとても盛りだくさんだ。

九雀 / 寄合酒
(小5女子) / 化物使い
(小3男子) / さくらん
九雀 / 足上がり
中入
染左 / 牛ほめ
めおと楽団ジキジキ / (音曲漫才)
九雀 / 愛宕山

寄合酒、九雀さんでは初めて。今日も快調にスタート、牧師のパトリックさんがメンバーの一人として登場するのがおかしい。しかし九雀さん、いつもよく声が出ている。プロだから当然と言われるかもしれないけど、高座の第一声で 「あっ、声が」 と思うこと割とあって、それだけでテンションが下がってしまう。
続いて九雀チルド連の小学生二人、この高座に上がる子供たちはみんなうまいけど、今日は特に目立った。なにより声が大きくてはっきりしてるのがいい。特に小3の男の子はその年で「さくらんぼ」を選ぶセンスと、演じ切ってしまう力には感心する。そして、二人ともきっちり受けるんだな。
九雀さん、二席目は「足上がり」。米朝さんがこれを掛けた時に下座の人たちが苦労した話からネタに入る。番頭が四谷怪談の芝居を演じるところが見せ場なんだろうけど、九雀さんの芝居噺はその体格を活かした迫力でダイレクトに伝わってくる。下げもよくできていていい噺だと思う。九雀さんが最初に言ったように現在では伝わりにくい要素が多いにしても、もっと聴きたい噺だ

中入り後は染左さん、「僕も子供たちにも落語を教えてるので」 と言いながら、今日の高座には感心していた。プロとしてはアマチュアの人と一緒に上がるのはやはりプレッシャーもあると、正直な人だ。ネタは池田在住なのでと 「牛ほめ」。下げまでいった。落語も見た目も上方林家の端正さで楽しませてくれる人だ。
次は「めおと楽団ジキジキ」。この人たちも東京から。今日から一週間繁昌亭で出番の音曲漫才。多分ここで観るのは三回目だと思うけど、その度にパワーアップしてるように思う。もちろん同じネタもあるけど全然飽きない。東西ともに昔のスタイルの音曲漫才はほとんどなくなってるんだろうけど、この人たちも姉キンとかと同じで、また違うスタイルで受けている。僕は音曲漫才すごく好きだし、今日の客席も相当ノリがよかった。
最後は九雀さん「愛宕山」。季節違いですがと言われてたけど、根本的にとても明るい噺なので夏に聴いても違和感はない。この噺僕は一八繁八が歌いながら登っていくところが一番好きなんだけど、今日は歌が何曲も出てきてよかった。三味線がからまない独唱で多少は息が切れそうな様を表現して、客席も聴き入るという静けさがいい。大きな荷物を持っての山登りのしんどさが伝わってくる。後、天保山のできた由来は初めて聴いた。そこも楽しかった。

まあ、盛りだくさんで十二分に満足したけど、先週の二重丸さんとか、東京の楽しい色物の人が繁昌亭に出るたびに九雀さんが岡町に呼んでくれてこの会が開かれるのは、地元の落語好き演芸好きとしてはとてもうれしい。これからもどんどんイレギュラーなペースで開催してほしいと思う。