2015.7.19 【動楽亭昼席】

【動楽亭昼席】

いい顔ぶれだから混むだろうと思っていたけど、やはり100人超えで札止めとなった。これを熱気があっていいと感じるか、窮屈でうっとおしいと感じるかは、聴き手の体調や客席の雰囲気とかも影響する。今日は正直後者でスタートした。

二乗 / 癪の合い薬
ひろば / 上燗屋
春蝶 / 山内一豊と千代
ざこば / 天災
中入
福楽 / 遊山船
福笑 / インテリ強盗

二乗さん、あまりの定番ネタだけど、やっぱり楽しい。侍とべくないのやり取りがうまいんだろうな。ところで、べくないってセリフあったかな。
続いてひろばさん、「後半の濃い三師匠をお楽しみに」、からこれも定番の「上燗屋」。いろいろ食べる所作が細かい。リアルに情景が浮かんでくる。
春蝶さん、この人のネタで女性の登場しないのはないんだろうか。
ざこばさん、まくらで福笑さんをいらう。年もキャリアもざこばさんのが少し上になるのかな。大いに受けてネタは「天災」。久しぶりだと心で拍手した。最近みなさんされるけどやっぱりざこばさんのイメージが強い。怒るのを諦めるところのさっと引く感じがいい。でも喧嘩の表現では少し狂気も感じさせる。

中入り後は福楽さん、ある意味今日の注目だ。出てきただけで何か普通でない空気を感じる。まくらでフランス人のことをモラルが低いとか散々けなして「僕はフランス人になりたいんです」ときた。客席をつかむのがうまいな。ネタは、なにわ橋の夕涼み~。やった「遊山船」だ。また心で拍手した。楽しく入ったけれども、屋形船の中の描写でかなり独自のくすぐりが入っていて、聴きなれないせいか噺に寄り添えなかった。でも、稽古屋の船が登場してから下げまでは、ほぼオリジナルに近い形で一気に持って行った。どちらにしても個性の強い人で今日で3度目だけど、これからもまた聴きたい。

最後は福笑さん、「待ってました!」と声をかけたい気分だった。冒頭で「この繁昌亭では」と言い間違えた時、袖からすかさず私服のざこばさん登場。「気い悪いわ!」と一喝した。仲のよろしいことで。一緒に飲んだらどんな会話してはるんやろか。ネタは「インテリ強盗」。少し前に初めて聴いて、面白いんだけどまだ展開がくどいように思う。それと声がちょっと不調に感じた。

前半若手の定番ネタ、後半師匠連の個性のぶつかり合いとたっぷり楽しめた。こういう何らかの意図を感じるような昼席の出番また組んでほしいな。