2015.7.11 【笑福亭三喬独演会@西宮芸文中ホール】

笑福亭三喬独演会】

最近益々ホール落語に行かなくなっているけど、三喬さんなのでチケットは直ぐに押さえた。僕は三喬さんについては、上方の大看板というポジションにいちばん近いところにいる人だと思っている。何より ほとんど外すことなく受け続ける抜群の安定感がすごい。そして今日はゲスト陣も豪華だ。でも自信がないと福笑、市馬の二人を呼べないと思う。

喬介 / 普請ほめ
三喬 / 転宅
市馬 / 片棒
中入
福笑 / もう一つの日本
三喬 / 崇徳院

喬介さん、この濃厚な顔ぶれの師匠の会でもいつも通りトントンと軽快にはこぶ。持ち味のよく出た開口一番だ。
三喬さん、泥棒噺にはまりだしたきっかけで爆笑。「若旦那は小米朝、丁稚は雀々、泥棒は三喬」やったらしい。そっから一席目は「転宅」。何度も聴いてるけど泥棒三喬の本領発揮だ。こういうすっとぼけた泥棒がホントに合う。僕は後「月に群雲」もすごく好きだ。
続いて市馬さん、客席からいきなり「歌って!」と声が掛かる。「そう言われましても、そんな三喬さんの独演会でいきなり歌うなんて。」と言いながら少し歌った。ネタは「片棒」木遣り歌がまた楽しい。上方でも文之助さん始めよくかかるけど、元々は江戸ネタだな。軽くさらっと、でも面白い。

中入後は福笑さん、いつもの導入は自分の会と変わらない。アメリカ人の普通でないビジネスマンが、日本の取引先と話がずれまくって混乱の極みになるという新作の王道のような話だ。
けど、さすがに毒は薄い。
最後なんだろうと思っていて、あっ、今日はホール落語にしては珍しはくネタ出しがなかった。百人一首の話に入って、蝉丸(当時の歌人)のマニアックなネタで盛り上がる。こんなん調べたんやろか。で、落語は「崇徳院」。ストーリー噺にしては飽きにくいネタだ。熊五郎が最後床屋で判明する直前、割り込みの了解を求められる場面で「ご住職」と声かけられるのがツボやった。

全体的には楽しかったけれども、このメンバーでの期待値は下廻った。更にホール落語から足が遠のきそうだ