2015.7.6 【千夜九夜物語・第一夜@繁昌亭】

【千夜九夜物語・第一夜@繁昌亭】

昨日東京から帰ってきて、今日はまた繁昌亭へ。今さらながら落語が好きなんだと思う。今夜は千朝さんと九雀さんとの二人会。ある一定の法則に従って米朝さんのネタを順次取り上げていくらしい。このお二人ならでは、という会になることだろう。この企画を聞いた時から楽しみだった。

華紋 / 道具屋
九雀 / 口合小町
千朝 / 千両みかん
中入
千朝 / 夏の医者
九雀 / 軒付け

開口一番は華紋さん、口跡がきれいで気持ちのいい落語をする人だと思っているけど、今日は何か所か間が悪く聴こえた。
九雀さん、一席目は「口合小町」 ネタおろしだそうだけど、僕もライブで聴くのは初めてだ。「口合とは地口、しゃれのことです。」と言って、枝雀さんの落ちの四分類を説明、その中では地口落ちは「あわせ」になりますと。ネタはとにかくしゃれの掛け合いが次々出てきて、九雀さんのしゃべりのリズムがよくてすごく楽しいけど、なかなか身に付けるの大変な噺じゃないかなと思った。
続いて千朝さん、まくらの星飛雄馬のうさぎ跳びの話で爆笑。少し硬い客席を和ませる。このあたりが本当にうまい。ネタは「千両みかん」。今年の夏早くも三回目だけどみんないい。今日はみかん問屋の番頭が「千両いただきます」と言うシーンの目の表情がとてもクールでしびれた。好きな夏噺いっぱいあるんだけど、この夏のはじめは千両みかんが独走だ。

中入後は、千朝さん「夏の医者」。トリであがった九雀さんが「米朝落語の正当な後継者と言ったのを取消します」と言うほど、もう一人の千朝さん全開だった。とにかくデフォルメしまくった田舎言葉にいつもの所作も一層大きくて全編爆笑だった。途中で「夏のチシャは腹にさわる」を2回続けたところが、マニアな人たちに受けてた。落ちへの仕込みの強調だな。ここ一瞬の判断で繰り返したように聞こえたけどどうなんだろう。この人のネタによる印象のギャップもいいな。
最後は九雀さん「軒付け」。九雀さんの落語も音楽的に聴こえて気持ち良くなってくることよくあるけど、今日は二席ともそういう感じだった。浄瑠璃も三味線も未熟さを強調する噺だけど、全体的にはリズムがよく聴こえないとしんどい噺じゃないかな。

ということで第一夜が終わった。第二夜はいつになるのか、何がかかるのか楽しみだ。あっ、ネタは法則に従えば分かるんだな。できれば最後まで皆勤したい。プログラム全部揃えたいから。