2015.7.4 【鈴本演芸場・昼の部】

鈴本演芸場・昼の部】

久しぶりの東京の寄席だ。もちろん主任の喬太郎さん目当てだけど、代演が多いのが少し残念だ。繁昌亭や動楽亭の昼席って代演ほとんどないけど、とっかかりのシステムが違うんだろうな。

あおもり / 普請ほめ
やなぎ / 真田小僧
ダーク広和 / (奇術)
圓十郎 / 饅頭こわい
さん生 / 松山鏡
笑組 / (漫才)
歌武蔵 / 支度部屋外伝
川柳 / ガーコン
琴調 / 講談・徂徠豆腐
中入
二楽 / (紙切り)
さん助 / 熊の皮
一朝 / 宗論
小円歌 / (三味線漫談)
喬太郎 / 抜け

前座のあおもりさん、白鳥さんのお弟子さんなんだ。噛んだ時に素早く客席から声かけるのどうなんだろうか。二人いたけど、大きなお世話では。プロの芸人に対して失礼じゃないかな。
やなぎさん、さん喬門下で今年二つ目なんだ。若いけど声がよく通っていい感じ。先が楽しみだ。
マジックのダーク広和さん、ビール瓶と新聞紙のネタ、どうなってるんだろう。こういう気持ちにさせればマジックはもうOKだ。最低限しか客をいらわないし、こんな色物の人との出会いも東京の寄席の楽しいところだ。
圓十郎さん「饅頭こわい」達者だな。それに食べ物の噺はやっぱり大きな体型の人の方が楽しく聴こえる。
さん生さん、うまいな。この噺、東西男女問わずいろんな人がするけど、田舎言葉は江戸弁から入っている方がなじみやすい。
翁家社中、色変わりの大神楽.。
川柳さん、ガーコン5年ぶりだ。84才らしいけどお元気そうだった。こういう時代だからこそこの噺にメッセージを感じる。最近ガーコンであまり立たないてことだったけど、今日は立ってはった。それにしても落語の高座でジャズのアフタービートの解説が聴けるなんて楽し過ぎる。川柳さんの代演はすごくラッキーだった。ジャズがむちゃくちゃ好きなんだな。
ひびきわたるさん、時間がおしてたのか。それにしても短かすぎる。
今日の収穫は琴調さん、「徂徠豆腐」は登場人物のひとりひとりがくっきりと際立っていて、物語を聴く楽しさで
いっぱいだった。また気になる東京の講談師登場だ。それに風貌も噺にあってる。

中入後は紙切りの二楽さん。まあ、パターンは普通の紙切りなんだけど、しゃべりの部分に個性が出て楽しい。正直難しいお題が出る方が引き付けられる。
さん助さん、さん喬一門で今年真打になった。「熊の皮」は上方ではほとんどかからないけど、夫婦噺でもっと取り上げられてもいいのにと思う。結構個性的な人だ。この先どう変わっていくのだろうか。
一朝さんも楽しみだった。「宗論」、こういう噺はしない人だという僕の勝手な思い込みがあったのだけれど、落語らしくてよかった。江戸の宗論はまだきっちりしてるのかな。オーバーアクションはほとんどなかった。
小円歌さん、一度大阪でも聴いた事あるけど、唄も三味線も普通に達者で寄席には欠かせない人なんだろう。

そして、いよいよ喬太郎さん、旅仕事や学校寄席の話から、ネタに入った。宿屋が舞台だ。甚五郎でなくて絵師だ。「抜け雀」か。ひょっとして「抜けガヴァドン」と一瞬思ったけど、そんなことはやっぱりない。ここまで前座から4時間近く経っている。さすがに長いけど、始まればそんなことは忘れる。墨をするシーンでの主人の独白が、諦観というかあきらめを感じさせるのが、この先の大逆転な展開でいきてくる。まあ、いろいろと小ギャグを入れ込むんだけど、いつもながらタイミングが絶妙だ。待ったかいがあったというトリだった。

約2年ぶりの東京の寄席だったけど、やっぱり笑いどころが関西とは違う「。ここそんなおもろいか?」というのが結構ある。でも噺家の人も、色物の人もいつも新しい人でいい人を見せてくれるのが東京の寄席だと思っている。