2015.6.29 【新世界南天の会@動楽亭】

【新世界南天の会】

南天さんが最近は毎月やってるネタおろしの会。今日は会場に入ると座布団も椅子席もずらりとならべてあった。これぐらいはそら入らなあかん。で、二番太鼓の後、南天さん私服で登場し「ゲストの鶴二さんがこの後行くところがあるから出番がイレギュラーになります」と。それでこんな出番になった。

生寿 / 米揚げ笊
南天 / 千両みかん
中入
南天 / 替り目

鶴二さん、この後繁昌亭の出番に走るらしくててトップバッターに。誰かが「お客さんも、開口一番からいきなり大ネタ聴かされてもしんどいでしょう。寄席や落語会にはネタの順番てものがあるんです。」て、言ってたけど本当にその通りだ。後にも先にもいきなり井戸の茶碗聴くことはもうないと思うけど、落語にスムースに入っていきにくかった。鶴二さんの本来の出番で聴きたかった。でも繁昌亭トリで今日の動楽亭のこといろいろ言うたはるんやろな。
続いて、本来の開口一番の生寿さん。井戸の茶碗の後に落語はしにくいです。て、言われてたけど、全然そうは見えなかった。いろいろとセンスのある人だと思ってるけど、今日は声がいいなと思った。どちらか言うと高いけど聴きやすいしよく通るし、米揚げ笊みたいな勢いのある噺にはよく合ってる。
南天さん、一席目は「バナナが好きで毎日食べてる。バナナのような年中旬の噺家になりたい。」てな話からネタおろしの千両みかん。冒頭からいきなり番頭が若旦那から聞き出すシーンをカット。どうなんだろうか。また、途中で「ないもん買い」が出てきたりして前半はかなりアレンジも、後半はあまり変えずに口演。まだまだ変わっていくと思うし、先でとても楽しみなネタおろしだった。でも番頭のキャラが、かなり頼りなさげでこれはあまり変わらないのかな。

中入後、南天さん二席目は「替り目」。何か、ますます酔っ払いぶりがエスカレートしていて楽しすぎる。自分で酒注いで表面張力がうまくいった様をしつこくしぐさでみせる酔っ払いがいい。今日は下げまで。最後は奥さんがうどん屋を呼びに行くのでなく、酔っ払いが消えたうどん屋を呼ぶパターン。この噺青菜なんかと一緒で面白い人たくさんいるんだけど、やっぱり下げまでやってほしいな。いい下げで、それが演題になってるよくできた噺だ。

今日は珍しく終演後アンケートを書いて出してきた。「早く太融寺に移りましょう。」てことだ。この会のアンケートにはこれから移るまで毎回書き続けることにした。今日は結局85人だったらしいけど、最近毎回90人前後で、かなり窮屈だ。広い会場に移れば客数もある程度は比例して増えると思うし、ロケーションを考えたら、会場の持ってる落語ファンの数も太融寺のほうがかなり大きいと思うんだけど。

でも、それはそれとして今日も楽しい会だったのは間違いない。