2015.6.26 【月刊笑福亭たま・6月号@繁昌亭】

【月刊笑福亭たま・6月号】

今週は日曜の独演会に始まって、福笑喬太郎二人会、天神寄席、そして月刊笑福亭たま、と4回連続でたまさん登場だ。ちょっと聴きすぎな気もするけど、自分の会、師匠の会、普通の寄席と出演頻度が全然違うからどうしてもこうなる。ファンからすればうれしいことだ。

八斗 / 四人癖
たま / 鴻池の茶碗
馬桜 / 貧乏神
たま / 兵庫船
中入
松五 / 書割盗人
たま / 新作ショート落語~新作ネタおろし・バーテンダー

先週2年ぶりに聴いていい感じだった八斗さん、中5日でまた遭遇。出会いだすとよく会うものだ。四人癖はオーバーアクションも程良く、適度にしつこいのも楽しい。
たまさん、一席目まくらで、今日の昼席のトラブルを。酔っ払い客関連だけど、僕はこれだけ落語会に行っててもそこまでの人は見たことない。トリの雀三郎さん大変やったやろな。で、ネタは「鴻池の茶碗」。先日ある人からこのネタの裏話を聴いてびっくりしたんだけど、それを踏まえて聴くとまた味わいが違う。最初の時からは相当変えてるんやろけど、こういう古典アフターみたいなのはたまさんにもっとやってほしい。
続いて、いつもは中入り後のゲスト枠が、その馬桜さんが東京へ帰るため三つ目に繰り上がる。ネタは「貧乏神」。古典であることを不勉強で知らなかった。やっぱり、小佐田さんが枝雀さんに書いて、今南天さんとかがしてる方が頭にあるから。馬桜さん、その小佐田さんに連絡して近所でコーヒーを飲んで、「聴いてくれないんだよ。太融寺の落語会に行っちゃったよ。そっちの会はそんなにいいの?」 はい、いい会なんです。僕らはこっちに来てますけどね。その「貧乏神」筋立てはよく似てて、いや小佐田さんの方が似てるんか。ご陽気に騒いで貧乏神を退散させようとする。
なすかぼ踊って、なぜか新潟さん登場。僕は分かってましたよ。白鳥さんの前の名前だな。それも受けた。続いて都々逸、八斗さんたまさんも一曲披露。やっぱりたまさんのが上手だ。その後もかっぽれ踊って、歌舞伎役者や談志さんのものまね。てんこ盛りで楽しいことと言ったら。でも馬桜さん、前半普通に落語してた口跡が何か江戸落語らしくてすごく良かった。
たまさん、二席目が「兵庫船」こっちが長いからと一席目と入れ替えた。まくらで馬桜さんが若いころ幽霊が出る家に住んでて、幽霊とコミニュケーションをとってたらしいと。やっぱり普通の人ではない。
兵庫船は最近よく聴いてるけど、切れ味も所作の大きさも、一番よかったと思う。

中入後は松五さん、去年のはなしか宝塚から、この人見るとどうしてもきれいな女装が頭に浮かんでしょうがない。出番変わってどうかなと思ってたけど、「化物使い」するつもりやったのに幽霊がどうのとかそんな話ばっかりするからって言って「書割盗人」。この噺、落語が聴き手の想像力に委ねる部分の大きい芸事だとしたら、二重に想像力が必要になってくるわけで、自然に楽しく聴かせるにはかなり力量がいるのではと思ってしまう。でも、所作の一つ一つが丁寧で楽しく聴けた。
たまさん、最後は新作ショート落語から。今回は平均点的なのが多いように思った。僕は「認知症」が好きだ。新作ネタおろしは「バーテンダー」。この噺聴いたよな、と思ってて、そうだ、住吉バーだ。しつこく繰り返すところが「住吉駕籠」だから住吉バー、と理解してたけど。何やらまだまだ変わっていきそうで先で楽しみな新作だと思う。

先月の月刊は少し満足度が低かったて書いたけど、今月はよかった。たまさんの落語はいつも変わっていくから、どう変わるか楽しみだと感じさせてくれる噺がいいな。
それと、どちらが先だったか知らないけどラクゴリラとかぶるのはなしにして欲しい。高津組の人たちは結構悩んだ。