2015.6.22 【福笑喬太郎二人会@繁昌亭】

【福笑・喬太郎二人会】

数か月前、繁昌亭のサイトでこの会の告知を見つけた時にあまりの嬉しさに狂喜した。それほど待ち焦がれた会だった。ずっと一番観たい聴きたい二人会だった。

たま / 寿限無
福笑 / 瀞満峽
喬太郎 / ハンバーグができるまで
中入
喬太郎 / 擬宝珠
福笑 / 裏切り同窓会

たまさん、開口一番は「寿限無」。この噺正直面白いと思う事がほとんどない。繰り返しでは「もう、ええって。」となる。でも今日は楽しかった。なんでかなと思いながら聴いてたんだけど、たまさんのは立て弁になってたんだ。リズムと勢いがすごくあって、立て弁好きの僕としては反応できた。そら師匠の会の開口一番にたまさん出てきて面白くないことまずないもんな。
福笑さん、普段は高座で他の噺家さんのことほとんど触れないけど、今日は珍しく喬太郎さんをほめ殺し。「これだけ言うたらやりにくなるやろ。」で、一席目は「瀞満峽」。一度だけ聴いた事ある。瀞満峽というリゾートみたいなところに家族で行くんだけど車が故障して歩くはめになる。そこで今日も方言大将が登場。適当で意味不明な方言がおかし過ぎる。合間、合間にはいるオサム君のセリフも、なんかシュールに聴こえる。そこでなぜかインデアン登場、さらにターザンも登場。この常軌を逸脱しながら話を崩さず展開して爆笑に叩き込むのが福笑さんだ。
それを受けて、喬太郎さん一席目。福笑さんのことは一言も触れず旅仕事の話。地方の仕事すごく楽しそうだな。で、これもよく出てくる食べ物の話題。福井のソースかつ丼は食べたくなったけど。続けて二杯は苦しい。そっから「ハンバーグのできるまで」。ようやく聴けた。6年前に初めて聴いて以来大阪での口演はほとんど聴いてるけど、これはまだの中で一番聴きたい噺だった。喬太郎さんの新作の中には人情噺ぽいのもいつくかあってこれもその一つだと思うけど、やっぱり、商店街トリオのキャラとかとことん爆笑だ。でも2割ぐらいだけしんみりするところがあって、それが元奥さん。こういう普通のいい人も登場するからまた侮れない。元だんなにハンバーグ作って。下げはニンジンだった。

中入後、続けて喬太郎さん。最近大阪で二席以上する時のパターンは二席目出囃子「ウルトラマン」。ほとんど分からない。僕の目の前でウルトラマンの話をするのは喬太郎さんしかいない。何度も聞いてるけどいつも結構違う話してるように思う。ポーズの違い説明する時立ち上がっていきなり「みんなのキョンキョン!」で、極端な趣味という事でネタは「擬宝珠」。これはもちろん「崇徳院」的な噺ではあるけど、とにかく擬宝珠をなめたい。金物をなめたいという噺なので、結構狂気がはしる。まじな狂気じゃなくて滑稽的な狂気だけど。ということで、一席中で二回高座の空気を替えて、喬太郎さん、出番終了。
最後は福笑さん、「なでしこもユニフォーム交換したらええのに。」などとかましながら、おなじみの「裏切り同窓会」。何度聴いても爆笑だ。最初の体調悪いというシーンと最後の下げだけ聴くととてもいい噺に聞こえるけど、間の同窓会がすごい。考えたら普通同窓会で二人三脚なんかせんけどな。主役はやっぱりババフミなんだな。佐藤とババフミの二人三脚はすごくそれっぽくみえるけどやっぱり鏡みて練習とかしはるんやろかな。

たまさんの理想的な開口一番に始まって、四席たっぷりでお腹いっぱい。全部大爆笑やったけど、喬太郎さんの方がまだ余裕があった感じだ。是非是非2回目やってほしいと切に願う。