2015.6.4 【繁昌亭昼席・花丸W受賞記念ウィーク】

【繁昌亭昼席・花丸W受賞記念ウィーク】

花丸さんの繁昌亭大賞と文化庁芸術祭優秀賞のW受賞記念ウィークで7日間トリだ。今日は中日。これまで3日間は「幸助餅」「三十石」「厩火事」ときてる。今日は何がかかるのか。日替りの中トリ、今日は仁智さん。口上と合わせて楽しみだ。

染吉 / 兵庫船
染太 / いらち俥
三風 / ハンカチ
豊来家一輝 / (大神楽)
銀瓶 / 阿弥陀池
仁智 / ハードラック
中入
口上 / (司会)三風、染丸・花丸・あやめ・仁智
あやめ / ちりとてちん・芸者編
由瓶 / うなぎ屋
花丸 / あくびの稽古

二人の弟弟子から始まった。染吉さん「兵庫船」は若手の人でも結構するけど、すごくメリハリがあってよかった。気楽な状況が一変してえらいことになる噺で、最後解決するまでのドキドキ感がでるかどうか。
染太さん、えらく焼けていたけど、「いらち俥」はぴったり。体系的にはスピードはなさそうにみえるけど、勢いで突っ走る。動作も切れてる印象だ。
三風さん、先週のあおばさんに続いてまたもかかった「ハンカチ」しかし、つくづくよくできたいい噺だ。それに三風さんの新作に割と近い噺に思え、自作のような印象がある。
大神楽の一輝さん、このひとの芸はやっぱり茶瓶まわしがすごい。身体全体でバランスをとって、自在にあやつる。かなり難易度が高そうな技も出ていた。
銀瓶さん、中トリ前のこの出番で「阿弥陀池」をさらっときっちり、で受ける。達者な人がすればこういうポジションにピッタリなネタだと思う。
続いて中トリ仁智さん、野球まくらが出ないかとドキドキだったけど、今日は大丈夫だった。「ハードラック」は死にたいのに死ねない不幸な?男の噺だけど、小ネタ総集編を最初にかなりのボリュームで盛り込んでから本編に入るようなつくりになっていて、仁智ファンにはたまらない。結局この男は不幸ではないのではと思い出すと下げは落語的に決まってすっと終わる。

中入後は口上、先ほどの出番の時から何を喋ろうか考えてたという仁智さん、とりとめのない話が進んでいくのだけれどことごとく面白い。何分でも笑いを呼び込めそうだ。次はあやめさん、予想どおり「はなしか宝塚」の話で引張る。結構「ええーっ」とか「おお」とかいう声出ていたので、花丸宝塚を知らない人も結構いたんだな。
口上最後は師匠の染丸さん。お元気そうでよかった。ご発声でみんなで大阪締め。今日は結構合ってたと思う。

後半はあやめさんから。髪がショートになってていい感じだ。ちりとてちんの芸者バージョン久しぶりに聴いたけど、芸者二人がいかにもあやめさの落語に出てきそうなキャラで、どちらも憎めないところが楽しい。
由瓶さん、「うなぎ屋」で大熱演。店主がいけすに飛び込んでうなぎ捕まえたの初めて見た。今日はパワー系落語だけどおさえるところはおさえてる。
トリはもちろん花丸さん。「あくびの稽古」は、ばかばかしくて落語らしくて好きな噺だけど、前半からとてもきっちりと。きっちりするほど馬鹿馬鹿しさが増幅されていい落語になってくる。まくらも含めてトリとして時間は短かったけど、僕は十分だった。

本当は土日も来たいけど無理なので、仕事休んで今日にした。そしたら平日なのに知り合いによく合ってさすがに連日大入りの花丸ウィークだなというところだ。